PPSメールマガジンvol.92「日本円の変わりゆく現状」 2023.06.12 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

ドル円は昨年末から円安に進んでいます。

2023年のドル円レートは、
米国の利上げ停止もしくは利下げ転換から、
円高に戻るシナリオが予測されていました。

しかし、今年に入ってから、
アメリカでは金融不安やデフォルト問題が起こりつつも、
ドル円は6月現在でも円安傾向でおり、
特に4月以降は金利差とは無関係に円安が進んでいます。

これには根本的な理由である日米金利差とは
別の要因が強くなったと考えられます。

これまでの米利上げからの米長期金利上昇により、
為替レートが円安に進む傾向とは別に、円安に進む理由があるのです。

それが、最近のニュースでも話題の株高という状況です。

今年に入り、NASDAQなどの米国株が上昇すると、
ドル円も連動して上昇する様子が続いています。

また、日本株は本日もバブル以降の最高値を更新しました。

これには海外投資家による日本株買いが盛んなこともありますが、
リスク管理による日本株買い円売りが増えるなかで、
円キャリートレードも盛んになってきました。

キャリートレードとは、低金利の通貨を調達し、
それを元に高金利の通貨や資産を購入し運用する手法です。

低金利通貨から高金利通貨に替えることで、
運用益だけでなく金利差による利ざやが得られます。

今の日本円は金利がほとんど無いため、
投資家視点では円を持つ理由はほぼありません。

そのため、円を調達して、
ドルや高金利通貨の資産で運用する
円キャリートレードの流れが強くなったと言えます。

また、世界経済は米国だけでなく、
欧米や中国も先行きの不透明感が残っています。

ですが、日本は金融緩和が当面続く見込みであり、
世界から見て比較的安定していると見られています。

そのため、今の内に円を売ったり日本株を買う流れが、
ここ最近の日本株の海外マネーの流入や円安の背景となります。

まとめると、今年の円安傾向は、
金利差から株高に変わってきていると言えます。

元々、株高になれば、
円安になる構図もあるため、
この移り変わりはおかしいことではありません。

ただし、金融市場は様々な要素が複雑に絡み合うため、
今の状況が円安要因の全てという訳でなく、
また、世界情勢の変化で状況も一変するでしょう。

為替というのは、
こうして様々な要素で変化するものですので、
今後も変化があればお伝えいたします。

それではまた!

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2023年6月5日配信のメールマガジンとなります。
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