PPSメールマガジンvol.91「ドル円為替介入の可能性は?」 2023.06.09 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

ドル円はここ最近で140円台を推移しています。

今後も円安が進むことも予想されますが、
ここにきて新たな流れが出てきました。

その流れというのが、
5月30日に開催された財務省・金融庁・日銀の3者会合です。

内容は明らかにはなっていませんが、
テーマは米債務上限問題への対策。

そして、円安動向かと思われます。

3者会合自体は、
情勢や相場の変化に対応するため、
定期的に行われる会合です。

今年3月にも、
米銀行破綻の影響から開催されており、
珍しいことではありません。

では、今回の会合がなぜ重要かと言うと、
現在のドル円相場と会合の流れが
為替介入を予感させるタイミングだからです。

昨年9月、ドル円が140円台を突破すると、
翌週に3者会合が緊急開催されました。

その際には円安への対応や、
為替介入を匂わせる発言も出ました。

当時は口先のみの牽制と思われましたが、
やがて145円を突破後、為替介入が行われています。

円安はその後も止まらず、
「対応を取る」牽制発言と介入実施の流れが、
約1ヶ月近く続いたのも最近の話です。

今回の会合では、
「(為替への)牽制の意図は全くない」との発言もあり、
報道後の為替対する影響も大きくありませんでした。

また、現在の日本株の力強さや、
日米金利差とリスク選考による円売りも進んでいるため、
円安の流れは止まっていないと思われます。

そして、為替介入に関して言えば、
昨年通り145円まで到達した場合、
実施される可能性も考えられます。

ただし、円安の状況は去年と今年で全く違います。

昨年に比べ今年は、
株高の傾向や海外来訪者の需要、
インバウンドの経済恩恵が期待されるからです。

円安自体の進行具合も緩やかな速度のため、
過度な牽制も極力抑えたいのが政府の事情ではないでしょうか。

さらに、為替介入は相手国との調整もあるため、
投機的な円売りが目立つなど理由が無ければ、
実行しづらいと言う点もあります。

最後にまとめると、
ドル円は去年と同じ流れになりつつあるが、
昨年に比べて緊急性は薄く、
為替介入の可能性は現状ではまだ低いと考えます。

為替介入による変動は、
分散投資や長期保有を目的にドルを持つ人には、
あまり気にしなくて良いとは思います。

ただ、短期売買を目的に為替市場に参加している人は、
動向に注視した方が良いかもしれません。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2023年6月2日配信のメールマガジンとなります。
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