PPSメールマガジンvol.82「日本のリスク商品の未来」 2023.05.05 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

先日、新聞などで
「地銀75行がリスク商品の見直し」
という記事が報じられていました。

外貨建て保険や仕組み債などの金融商品に対して、
販売態勢を見直しをしているという内容です。

この仕組み債というのは、
表面上の利回りは非常に魅力的な金融商品です。

ですが、一定額での強制償還や、
株価による最低利回りの変化など、
非常に複雑な仕様を持っています。

経験の深い投資家でさえ、
予測していない損失を起こすこともあり、
運用条件の把握が必須な商品と言えます。

とはいえ、販売員の説明不足や、
聞こえの良い部分だけを説明することで、
リスクを把握しないまま契約される方も多く、
失敗をしたという声も多く聞きます。

また、外貨建て商品についても、
昨年の円安時に外貨預金が話題になったことから、
利用者数が増えました。

しかし、
為替リスクや手数料を理解せず、
運用して元本を減らす可能性があるのも、
外貨建て資産のリスクです。

また、最近の定期預金には、
「7日もの」と言った
短期型預金があります。

それらを新興国通貨を合わせ、
「年利50%〜」という法外な数値で
宣伝する金融機関もありますが…。

この数ぎは年利なため、
7日や14日での金利は、
本来の1年定期より若干高い程度となります。

さらに、新興国通貨との場合は、
為替の乱高下も強いため、
同じ定期預金でも高リスクとなる点はご注意ください。

外貨建て商品については、
増やすよりもまずは守る目的での運用方が、
私としては正しいかと思います。

円安・円高の変動は今後必ず起こりうるため、
通貨の目減りを抑える運用がまず第一です。

「円預金より増える可能性があるから」
という理由で外貨預金を進めるケースが増えましたが、
短期中期で見れば減るというリスクも持つことは、
必ず把握しましょう。

さて、ようやく表題のテーマに移りますが、
この複雑な金融商品への苦情はこれまでも多く、
金融庁も金融機関への注意喚起やルール改正を行っています。

実際、仕組み債やそれに近い商品自体の
販売をやめている金融機関も出てきています。

リスクの高い商品は、
金融庁からも釘を刺され、
顧客からも苦情が多いとなれば、
売りにくい商品となります。

日本にも投資の文化が根付き始め、
昔に比べ運用を始める人も多くなりました。

運用者が多くなれば、
その分損失を受ける人も増えるため、
損失の苦情は今後も増え続けていくでしょう。

将来はハイリスクハイリターンの商品はほとんど無くなり、
低金利低リスク商品ばかりになる可能性もあります。

また、先ほどは販売員の説明不足とも書きましたが、
運用者自身のリスク管理や金融リテラシーの向上も、
今後の資産運用を行う上で重要となります。

外貨建て商品も仕組み債も、
そのほとんどは正しい金融商品です。

ただ、儲かると勧誘されて始めれば、
損失が起きた時、
騙されたという感情にしかならないでしょう。

どんな商品にも必ずリスクというものが存在します。

それらのリスクを把握して、
理解した上で進めることが、
今後の資産形成において重要な点です。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2023年4月28日配信のメールマガジンとなります。
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