こんにちは。
PPSの吉岩です。
先日のSVB経営破綻や、
クレディ・スイス経営危機などが報じられ、
金融市場にも混乱が生じています。
この混乱はドル円にも影響を及ぼし、
3月頭136円から131円台と円高へ進行しました。
さらに報道でも、
米金融システムの不安が取り上げられる様になり、
「金融システム」という言葉が使われる機会も多くなりました。
今回は、この金融システムとは何かを解説し、
皆様に金融システムについて理解を深めていただくため、
解説していきます。
まず、金融システムとは、
銀行・金融機関・株式市場・企業・個人をつなぐ
お金の取引が行われるネットワークです。
健全な金融システムとは、
お金の流通において、
円滑で安定したお金の流通が必要です
主に銀行がシステムの中心となり、
銀行同士が相互取引を行いながら、
企業や個人へお金の貸し借りを行い、
お金の流通の安定を図ります。
ただし、円滑に進められていても、
中心のひとつである銀行の資金繰りが危うくなれば、
システムにも問題が生じます。
たとえば、特定の銀行で経営危機が起これば、
金融市場が混乱するなどが先日の例です。
そのため、中央銀行や各国の当局は、
各銀行の経営状況を監視し、
金融調整を通して、システムの安定を維持しております。
銀行経営に不備が無く、
適切な金融調整を行なうことが、
健全な金融システムの維持であり、
中央銀行や当局の役割のひとつであると言えます。
そして、先日のSVBやクレディ・スイスの件は
金融システムの不安化につながります。
これらの銀行だけの問題ではなく、
その周囲にも影響を及ぼすからです。
「あの銀行が危なければ、この銀行も危ないかも」
という心理状況が、経営に問題の無い銀行や、
金融機関もあおりを受けます。
そして、企業も預金を行なった銀行が
破綻すれば資金繰りが危うくなる状況が生まれます。
保護があったとしても、
制度により預金が戻るまでの間、
引き出すことはできません。
ひとつの銀行で経営に不備が起きれば、
連鎖式に他の銀行や企業にも影響が起こり、
国の経済自体の後退につながります。
こう言った連鎖を防ぐために、
中央銀行や金融当局が、
預金者の保護などに動く場合があります。
本来であれば、
銀行の経営問題に中央銀行が介入する必要はありません。
しかし、経済不安の連鎖が続けば、
リーマン・ショックの様な危機を
呼び起こすことにもなりかねません。
よって、今の米中央銀行や当局は、
経済危機の再来を防ぐための
危機対応に動いているとも言えます。
現在、SVB銀行の預金者に対する保護や、
UBS銀行がクレディ・スイス買収など、
危機の収束化が進められていますが、
この先はまだ不透明な面があります。
次の経営危機が起きる可能性もあり、
金融システムの安定を優先するためには、
米政策金利の利上げ停止が必要との見方も強くなっています。
仮に停止が発表された場合は、
ドル円にも変化が起きるニュースとなるでしょう。
米中央銀行がインフレ退治か、
金融システムの安定を優先させるかどちらを選ぶか、
今週水曜日のFOMCにて、
方針が明らかになると思われます。
FOMCの内容に関しては、
またお伝えしたいと思います。
それではまた!
PPS.Llc代表 吉岩勇紀
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この記事は2023年3月20日配信のメールマガジンとなります。
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