PPSメールマガジンvol.50「ドル円ビックイベント終了、円高か円安か」 2022.12.23 #メールマガジン

こんにちは。
PPSの吉岩です。

ここ最近のドル円は円安・円高と、
イマイチ方向性が定まらない動きをしています。

その理由としては、
現在のアメリカ経済のインフレ状況から、
大まかなふたつの動向により変動しているためです。

①インフレが抑制されつつあるため、
対策の転換やその後の景気後退を懸念する市場の動き
→ドル売りが先行し円高へ

②抑制がまだ進んで無いと考え対策の長期化を警戒する動き
→ドル買いが先行し円安へ

11月から始まった円高進行は①のドル売り、
現在の円安に戻っていく動きは、
急激な円高への反発や②の動向が混ざった形かと思われます。

そして今週は137円台→134円と変動しつつも、
再び元の137円に戻っていく動きとなりました。

今回はその背景を簡単にまとめました。

まず、以前もお伝えした通り、
今週は下記イベントにより
ドル円レートへの変動が強い週でした。

・11月米CPI(消費者物価指数)
・12月FOMC(連邦公開市場委員会)

米CPIはアメリカの家計に係る商品と
サービスの価格変動を集計したデータが発表されるため、
インフレ状況や抑制度合が判断される指標です。

FOMCはアメリカ金融政策の方針を決定する会合で、
政策金利の調整やパウエル議長の会見が行われ、
利上げ幅や会見内容から市場の反応が強いイベントとなります。

今回の影響については、
まず12月13日に行われた米CPIは、
市場予想よりも低い数値となりました。

11月結果(カッコ内は市場予想値)
総合 7.1%(7.3%)
コア 6.0%(6.1%)

これはインフレによる物価上昇が
予測以上に抑えられていたという見方となります。

前回の10月では7.7%の値であったため、
インフレによる景気加速が弱まりつつあると見られます。

このCPIの発表後、
137円台まで円安に進んでいたドル円は、
134円台に変動しています。

インフレ対策の効果が出てきているから、
今後の利上げは柔らぐという市場動向の影響です。

そして翌日のFOMCにて、
米政策金利の利上げの発表がありました。

12月利上げ(カッコ内は市場予想値)
結果 0.5%(0.5%)

市場予想はこれまで0.75%か0.5%で分かれており、
これまでの指標や要人発言から0.5%派が優勢でしたが、
その予想が一致した結果となりました。

これまでの利上げ幅は0.75%でしたので、
0.5%に下がったことで、今後の利上げペースの低下や、
インフレ対策の緩和も予想されます。

しかし、パウエル議長の会見からは、
現在の方針を転換させる様な発言はありませんでした。

これまで通り利上げを続けつつ、
インフレ抑制を続ける姿勢です。

金融緩和(利下げ)にはまだ慎重であり、
方針の転換は当面先といった印象でした。

そのため会見後は大きな変化はなく、
ドル円は135円台に落ち着いていましたが、

利上げによる日米金利差拡大もあるため、
欧州勢が参戦する夕方からドル買いが始まり、
ドル円は一時138円まで円安へと進んでいます。

以上が今週金曜朝までの動きです。

さて、メールのタイトル通り、
年内大型イベントは今回の米CPIとFOMCで
ほとんど終了しました。

その後の経済指標や要人発言の影響を受けて、
年内は方向の定まらない動きが続くと思いますが、

134円〜138円のどちらの壁が先に突破されるかで、
その先のドル円の方向も定まりそうな予感はします。

年明けの展開については、
年末の締めの挨拶で少し触れようと考えていますので、
また次回にご期待ください。

それではまた!

PPS.Llc代表 吉岩勇紀
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この記事は2022年12月16日配信のメールマガジンとなります。
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