PPSメールマガジンvol.51「日本円もうひとつの弱点」 2022.12.27 #メールマガジン

こんにちは。
PPSの吉岩です。

今年、日本円が円安となった主な要因は、
日米との政策金利差だと言われています。

12月時点でアメリカの政策金利は4.5%、
日本は-0.1%なので、4%以上の差が出ています。

為替には金利の高い通貨の方に
資産が流れやすい傾向があります。

今年、金利差が開いたドル円は、
円が売られドルが買われる動きにより円安となりました。

アメリカの利上げは、
来年で5.0%程度まで到達すると予想されており、
日本が利下げに政策を転換しない限りは、
この金利差は来年以降も続くものと見込まれます。

ならば、来年は更なる円安になるかと言われれば、
それは不透明であるとしか言えません。

なぜなら一時期の円安は、
為替介入が入るほどの
行き過ぎた状況であったためです。

たとえば、
リーマンショック前の日米金利差は3%程度でしたが、
当時のドル円は117円台と、
今年の様な大きな円安にはなっていません。

では、2022年はなぜここまで円安が
深刻化してしまったかと言うと、
金利差とは別にもうひとつの問題を抱えているからです。

それは、今の日本の借金にあります。

日本が借金を大きく抱え込み、
それを国債で賄っている状況は既に世界にも知れ渡っております。

以前であれば各国と金利差が開いても、
日本も続いて利上げするかもしれないと警戒されたため、
ドル円が大きく動くことはありませんでした。

しかし、
今の日本はもう利上げができないと読まれ、
海外勢から簡単に売られる通貨となっています。

日本が利上げをすれば、国債の利息が跳ね上がり、
税収で払いきれなくなるため、
利上げに踏み込めないと思われているからです。

海外の機関投資家は各国の情勢に敏感なため、
国民よりも今の日本経済の状況を把握しているでしょう。

夏頃にも海外の機関投資家が日本国債を売り続け、
日銀がそれを買い続ける戦いが裏で行われていました。

国がいくら借金を作っても国債で賄う体制は、
このような形でツケが回ってきたわけです。

そういうわけで今の日本円は、
非常に価格が振れやすい通貨となっています。

この状況から脱するには、
日本の借金問題が解決することですが、
簡単に解決できる問題ではありません。

ならば、借金問題を解決する姿勢を
海外に見せることになりますが、
そのひとつの答えが「増税」になります。

これまで国債発行で賄っていた予算を、
今度は増税で収入を増やし、
借金を減らす姿勢を見せることになります。

ここ数ヶ月間で政府が増税案を進めていたのも、
この状況がひとつだと考えられます。

これまで通りの国債発行では、
海外に弱点を曝け出すだけとなるためです。

ですので、今後も何かと理由を付けた増税や、
社会保障削減が続くことが予想できます。

円安となったのは、
金利差もひとつの原因ですが、
それは目先の金利差で稼ぐ
投資家達の短期的な資金が動いているためです。

結局、最後に資金が移るのは、
経済力が将来有望な国の通貨となります。

今後の日本の経済成長や借金問題を解決する
政策を世界に見せていくことが、
円の弱さを解決する唯一の方法でしかありません。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2022年12月20日配信のメールマガジンとなります。
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