こんにちは。
PPSの吉岩です。
さて、ドル円は前回配信時の139円台から
134円台まで円高に進みました。
先週の背景としては、
・11/30(水)パウエルFRB議長講演での米利上げ幅縮小の示唆
・12/2(金)米雇用統計前のドル売り調整
主に上記の2点が円高材料となっております。
パウエル議長の講演では、
これまで通りのインフレ抑制を続けながらも、
徐々に政策を変えていこうと思わせる発言があり、
米経済のインフレはピークを迎え、
今月から利上げが緩まる可能性を示す方向が伺えました。
政策金利の利上げが緩まれば、
ドル円にも影響しますので、
現在の円高、円安の動きも徐々に落ち着きを見せるかもしれません。
ただ気になるのは、
米雇用統計の発表値が市場予測よりも良い結果だったことです。
雇用統計では、
雇用者数、失業率、平均時給(上昇率)の数値が発表されます。
今回の発表値では、
雇用者数と平均時給が予測よりも大きく上回りました。
・雇用者数 26.3万人増(20.0万人増)
・失業率 3.7%(3.7%)
・平均時給 5.1%(4.6%)
※()内が市場予測値
雇用者数や平均時給額が予想以上に良い結果だったと聞けば
一見すると喜ばしく思えますが、
現在のアメリカはインフレ抑制を行なっている最中です。
インフレにより平均時給が上がっている状況ですので、
高い結果が出たということは、
インフレはまだ収まっていないのではないかという見方にもなり、
今後の政策にも影響が出る結果であったかもしれません。
もし、この平均時給額が落ち着かずにインフレ政策を緩めれば、
企業に店舗にとっては賃金という形で大きな負荷となるため、
インフレ後の景気に大きなダメージとなります。
すでに市場上では、
インフレがピークアウトを迎えたという方向に動いておりますが。
これまで何度もピークアウトと言いつつも、
抑制ができなかったのが今回のインフレ問題です。
まだまだ油断はできない面と、
米経済の影響が日本に大きな影響を与える面は、
今後も変わることはないかと思います。
さて、今回の米雇用統計発表後、
ドル円は133円から135円まで円安と動き、
現在は134円となりました。
次の大きな展開としては、
12/9(金)の米PPIと、12/13(火)の米CPIの経済指標。
そして、12/15(木)のFOMCとなります。
PPIでは企業のインフレ率、
CPIは物価の指数が発表され、
その月のインフレ状況が結果として発表されます。
そして、FOMCでは金融政策の発表、
政策金利の利上げ値が発表されるため、
これらの指標次第で、今年のドル円がどの値に収まるか決まります。
現在の日米金利差が、
ドル円が円安に動いた大元の要因でもあるため、
利上げ幅が予測通りなのか、予測とは外れるかで、
ドル円レートにも大きな影響を及ぼすでしょう。
今回はここまでとなりますが、
引き続き今後の動向や、
来年以降の方向などもお伝えできればと思います。
それではまた!
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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この記事は2022年12月5日配信のメールマガジンとなります。
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