PPSメールマガジンvol.43「日本の物価上昇、来年も継続か」 2022.11.28 #メールマガジン

こんにちは。
PPSの吉岩です。

ドル円は米CPI発表後から137円まで円高へ推移後、
現在は139円、140円台で前後しています。

円安・ドル高一強という流れから、
アメリカのインフレが収まりつつあるという方向に移りましたが、
その後の米経済指標でも、その流れは変わっておりません。

利上げやインフレに対する要人発言が無ければ、
今週も特に大きな為替の変化は無いと見ても良いかもしれません。

また、先週は日本でも経済指標が発表されたため、
今回は日本の状況についてお話ししたいと思います。

すでにニュースでも取り上げてられているため、
把握している方も多いかと思いますが、
簡単なまとめと言った形でお送りします。

今回発表された日本の経済指標について、
注目すべきなのはこの3点です。

・GDP(日本国内の生産力)年率マイナス1.2%
・貿易収支(貿易状況)2兆1623億円の赤字
・CPI(物価上昇値)3.6%の上昇

GDPとは国内の生産力だけにならず、
その国の経済力を示すデータにもなります。

マイナスや伸び代が低いという場合であれば、
国の経済力が落ち込んでいるということです。

今回の日本の場合、材料などの輸入コストの増大と、
物価高による個人消費の低下が大きな影響となりました。

とくに輸入輸出に関して言えば、
日本は15ヶ月連続の貿易赤字という状況です。

食料やエネルギー資源を輸入に依存している部分が強く、
円安での物価上昇を受け入れざるを得ない国です。

輸出面においても、
過去は一強であった家電や電子製品の分野も、
海外ブランドに負けている印象もあります。

本来、円安になれば輸出が増加し、
黒字も増えていくサイクルがありますが、
現在多くの日本企業は、生産拠点を海外に移している点があり、
この影響力も薄まってきているのでは無いかと思います。

また、物価上昇値は40年ぶりの高騰を記録しております。

特に食料品関係の値上げが強く、
順当にインフレが進んでいるという証拠ですが、

今回の上昇要因のほとんどが材料や食料品関連であり、
人やサービスに関する人件費の上昇はそこまで上がっておりません。

つまりは、物や商品の値上げが起きていても、
賃金上昇までには至っていない状況です。

海外のインフレの様に、
物価も上がり賃金も上がるという理想の状態ではなく、
物価だけが一方的に上がっている状況です。

これに関して言えば、
日本で円安・インフレが問題になり始めた時から、
何も変わっておりません。

日銀が掲げている物価目標値は2%であり、
今回3.6%と目標には達してはおりますが、

「物価と共に賃金も上昇」であることが目的であるため、
今回の結果でも、現在の金融緩和を変える姿勢はありません。

しかし、現状は消費者は値上げで購入を抑え、
企業は物の売れ行きが悪く賃上げに踏み込めない
と言ったサイクルになっている気もします。

さて、これらの値上げですが、
先ほどから何回も触れている通り、
円安による材料コストの高騰が原因となっております。

現在、ドル円の為替ペースは、
円安の一方通行から円高へと落ち着き、
この方向で行けば、来年以降は値上げラッシュも
落ち着くのでは無いかと思います。

ただ、日本とアメリカの政策金利の差は変わらずのため、
結局どう転ぶか、アメリカの動向次第というのは
相変わらずといった感じでもあります。

また、ここまで円安と動きインフレとなった今でも、
日本経済の成長に影響が起きないのも、
経済力が弱まっている証拠なのかもしれません。

今回はここまでとなりますが、
日本の経済成長や今後のシナリオについても、
また近いうちにお話しできればと思います。

それではまた!

PPS.Llc代表 吉岩 勇紀

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この記事は2022年11月21日配信のメールマガジンとなります。
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