PPSメールマガジンvol.41「ドル円138円の円高へ、その理由は」 2022.11.21 #メールマガジン

こんにちは。
PPSの吉岩です。

さて、ドル円は米CPI(アメリカ消費者物価指数)の発表から、
大きく円高へと進んでおります。

先週の木曜日22時30分に米CPIが発表後、
ドル円はおよそ半日で146円台から140円台まで変動。

その後も円高ペースが止まらず、
11日金曜日の時点では一時138円台まで進み、
140円台を超えた記録的な進行となりました。

米CPIは市場への影響の強い経済指標ですが、
為替介入と思わせるほどの異常な値動きを見せたのは、
やはり根底であるインフレの部分にあります。

その理由や円高の背景について、
今回はお伝えしたいと思います。

まず、CPIはその国のインフレ状況が把握できるデータです。

CPIのデータ次第で、
インフレが進んでいる、収まりつつあるという判断が、
投資家や金融市場の中で判断され、マーケットが動きます。

そして、その判断は市場予想と実際の数値の差から確認されます。

市場予想は、金融機関やアナリストが、
これまでのデータを集計した予想値であり、
この値が投資の判断材料に使われる重要なデータとなります。

今回のCPIでは、
市場予想8.0%に対して7.7%であったため、
予想よりも下回る結果となりました。

つまり、アメリカ経済は
予想に比べインフレが収まっている状況と見られ、

この結果から、
→ 予想に比べインフレが進んでいない
→ アメリカ経済のインフレが収まる傾向
という憶測が先行し、

→ 今後、アメリカの利上げのペースも下がる
→ 予想よりも早い段階で利上げが終わる
といった、利上げや政策面にも変化が起こる方向に思惑が進み、
為替もドル高からドル安に進む結果となっています。

わずか0.3%程度の差ですが、
それほど、アメリカのインフレや利上げに対し、
金融市場からも警戒されているということです。

アメリカがこれまで政策金利を利上げしたのは、
インフレ退治が目的であるため、
来月以降の利上げや展開にも影響が出るという面も、
正しい流れでしょう。

また、CPI発表後はドル円だけでなく、
米国株の急騰や米長期金利の低下も起こり、
市場の流れが変わり始めています。

次回の利上げが決まる12月FOMCまでの間に、
要人達がインフレに対しどのような発言が出るのか、
それらも注目です。

アメリカも日本と同じく物価目標は2%のため、
インフレが収まっていると見れても、
まだまだ非常に高い状況です。

「対策が必要だ」などの要人発言があり、
インフレ対策を軟化させる体制が見えなければ、
今の流れもまた一転し、元に戻る場合もあります。

円高の流れがしばらく続くのか、
円安ペースに戻っていくのか、

今回のCPIの結果が、
流れを大きく変える結果となったのか、
しばらくは見極めていく状況になりそうです。

PPS.Llc代表 吉岩 勇紀

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この記事は2022年11月11日配信のメールマガジンとなります。
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