PPSメールマガジンvol.312「日銀のETF売却が意味することとは?」 2025.10.03 #メールマガジン

日銀は先日、保有するETFとJ‑REITを
売却する方針を発表しました。

これまで続いた大規模金融緩和の
“出口戦略”の一環であり、株価が一時動く影響もありました。

今回は、その背景と影響について、かんたんに整理してお届けします。

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① そもそもETFとJ‑REITとは?

ETFは「上場投資信託」のことです。

株価指数に連動するように設計された商品で、
株式と同じように市場で売買されます。

一方、J‑REIT(不動産投資信託)は、
日本国内の不動産に投資し、
賃貸収入や売却益を投資家に分配する商品です。

こちらも株式と同じように上場しており、
不動産市場への投資を手軽に行う手段として利用されています。

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② なぜ日銀は過去、ETFを大量に買ったのか

日銀は2010年からETFを買い始め、
2013年以降は年数兆円の規模に拡大。

理由は「株価の下支え」です。

当時は日本経済の停滞感が強く、
日経平均も低迷していました。

日銀は大胆な金融緩和策の一部として、
ETF・J‑REITを買い入れるという
世界でも異例の手段に踏み切ったのです。

その結果、
日銀は日本株全体の約7%を保有するまでに
至ったとも言われています。

ただし、株価は確かに上昇しましたが、
・市場環境の歪み(政府が買い支える環境)
・将来の売却リスク(売却した場合の暴落)
といった副作用も指摘されていました。

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③ なぜ“今”売るのか?

ETFの新規購入はすでに停止しており、
「いつかは売却が始まる」と噂されていました。

その"いつか"を予測していた人は少なく、
今回の売却発表は“サプライズ”となりました。

最近は日経平均が高騰しており、
含み益が出ているタイミング。

今なら損失無く処分しやすく、
出口戦略としては“良い時期”と言えます。

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④ 売却の中身と影響

■ ETF:年間約3,300億円(簿価ベース)
■ J‑REIT:年間約50億円

これは日銀の保有額(時価70兆円)と比べると、
ほんの一部にすぎません。

植田総裁も会見で、
「全て売るのに100年以上かかる」
と述べています。

つまり、今回の売却によって、
市場への影響は起こりづらい水準と見られています。

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⑤ 発表時の反応

発表直後、株価は一時急落しましたが、
その後は落ち着きを取り戻しました。

急落の背景には、
「対話を重視する」とした植田総裁の姿勢と
今回の“サプライズ発表”とのギャップに対する
反応があったとも言われます。

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⑥ 今後の見通しは?

しばらく様子見が続くと見られますが、
株価の動きや市場の反応によって
売却スピードが調整される可能性もあります。

市場への悪影響があれば売却量の見直し、
影響が軽微であれば徐々に増額、
といった柔軟な対応が予想されます。

今回の方針は、
日銀の金融政策が「脱・異次元緩和」へと
じわりと動き出したことを示す一歩です。

引き続き、金融政策と市場の動きに
注目していきましょう。

それではまた。

PPS.Llc代表 吉岩 勇紀

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この記事は2025年9月26日配信のメールマガジンとなります。
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