先週、日本の金融政策決定会合と
米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されました。
市場が注目する政策金利の決定イベントですが、
今回は日米ともに「ほぼ想定通り」の結果となりました。
まずは、金利の変化を確認しておきましょう。
<<9月政策金利>>
日本:0.50%(据え置き)
米国:4.00〜4.25%(▼0.25%の利下げ)
日米金利差:3.50〜3.75%
各会合のポイントは以下の通りです。
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① 日銀会合のポイント
・金利据え置き(市場の予想通り)
・一部委員は「0.75%への利上げ」を主張
・ETF・J-REITの売却方針を初めて明言
金利据え置きは予測通りでしたが、
今回は反対票が出た点に注目が集まっています。
(前回7月は全会一致)
これは日銀内部でも「正常化」への圧力が
徐々に強まっている証拠かもしれません。
さらに、日銀が保有するETFやJ-REITを
市場で売却していく方針を発表。
サプライズとなったこの決定に、
株価は一時、乱高下が起こりました。
結果として、
今後も様子見の姿勢が続くと見られますが、
反対票の出現やETF売却の発表により、
市場は「タカ派的な据え置き」と評価しています。
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② FOMCのポイント
・0.25%の利下げ(市場の予想通り)
・インフレより「雇用リスク」への配慮が背景
・年内の追加利下げも視野に
米国は9ヶ月ぶりに政策金利を引き下げました。
過去のパウエル議長の講演で利下げを示唆していたことや、
最近の雇用統計が悪化している点から、
予想通りの結果だったと言えます。
また、今回の記者会見では、
従来のインフレ警戒だけでなく、
雇用リスクへの懸念も伝えられました。
金利は高くなるほど、
インフレの抑制になりますが、
同時に雇用の悪化リスクも。
インフレと雇用、
どちらのリスクにも考慮するため、
今後は、段階的な利下げが続くと思われます。
とはいえ、「ゆるやかな調整」が基本です。
この方向性については、
急速な利下げを求める
トランプ大統領との摩擦がありそうです。
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③ ドル円の影響と今後のまとめ
今回は日米ともに想定内の結果であったため、
為替市場への影響は限定的でした。
ただし今後は、
・米国の利下げが継続
・日本はETF売却など正常化
・日米金利差は縮小
といった流れが強まる可能性があります。
今後は、米国が利下げを進め、
日本が段階的に正常化へ向かう流れが、
やがて中期的な「円高要因」として
市場に意識されていくかもしれません。
とはいえ、米景気や日本の政局など
不確定要素も多く、
短期的には上下に振れる展開が続きそうです。
また、今回発表された
「日銀によるETF売却方針」については
次回のメルマガで詳しく解説します。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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この記事は2025年9月22日配信のメールマガジンとなります。
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