PPSメールマガジンvol.30「世界との足並みが不揃いの日本」 2022.09.28 #メールマガジン

こんにちは。
PPSの吉岩です。
「日本人は貯金好きで投資には後ろ向き」
という話を、聞いたことがあるでしょうか。

日本ではこれまで、
金融や投資に関する教育が無かったことや、
貯金や保険を好む国民性だからと言われており、

投資と貯蓄をバランスよく取り入れる欧米人とは、
資産形成の感覚に大きなズレがあります。

そして、
これは資産形成に限った話ではなく、
経済でもこの数十年の間で、
日本と世界各国にはズレがあり、

リーマン・ショック以降、
足並みを揃えられない日本が
世界情勢に振り回された結果が、
今の経済状況になっていると感じます。

今回は、その日本と世界のズレについて、
私なりにお伝えいたします。

2008年にアメリカで始まったリーマン・ショックは、
アメリカ経済だけでなく、世界的な経済危機にまで拡がりました。

日本経済もその影響は大きく、
一時信用の失ったドルが売られ、代わりとして円が買われたことで、
ドル円は急激な円高にシフトし、輸出産業は大きな打撃を受けました。

そして、世界各国はリーマン・ショックへの対応として、
経済の立て直しを図るための金融緩和を実施し、
大規模な金利の利下げを始めます。

日本でも利下げは行われましたが、
当時は0.5%の低金利であったため、
0.3%、0.1%と引き下げても、
各国の急激な利下げに比べて影響は薄く、
円高の情勢が変わることはありませんでした。

一方、アメリカは金融緩和後、
ドル安の恩恵から輸出産業を大幅に伸ばし、
また円高である日本製品などの輸入を抑えたことで、
自国経済の回復に成功をしました。

結果、アメリカの景気はV字回復しましたが、
日本は2013年の異次元緩和政策実施までの間、
円高不況の時代が訪れます。

派遣切りや雇い止めが話題となり、
製造業やメーカーによる、
派遣社員の大規模な契約解除が報道されていた時代です。

このリーマンショック後の日本と世界経済について、
二つの見方があります。

1:日本が世界の動きに対応できない
2:アメリカは日本を犠牲に経済を回復させた

アメリカ経済が崩壊すれば、
日本も共倒れになるということもありますが、

大国の経済に不安がやって来れば、
その煽りを受けてしまうのが日本という国です。

そして、今の円安時代でも、
同じような流れが訪れています。

現在、世界各国は、
コロナショック後のインフレ過熱を抑制させるため、
金融緩和の縮小を行い、政策金利を上げようと動いています。

それに対し、日本は未だ金融緩和を継続し、
先進国で唯一、マイナス金利を続ける国となりました。

世界が利上げに動くなかで、
日本だけが低金利を維持していれば、
金利差も開き、円安に進むのは当然の流れです。

そもそも、日本が利上げに踏み込めないのは、
これまでの異次元緩和策により、
日銀が国債を大量に買い続けたことで、
金利を上げてしまえば、債務超過を起こす懸念。

そして、
利上げは景気が過熱した際に行う方法のため、
日本の決して好調ではない経済状況での利上げは、
経済成長に打撃を与える面があります。

その結果、円安に対して、
口先での牽制しか取れないのが、
今の日本政府と日銀なのです。

ですので、この状況のままでは、
リーマン・ショック時と同じ様に、
アメリカ経済が安定するまで、日本が犠牲となるか、
対応できずに影響を受け続けるという展開となります。

長くなりましたが、
最後にまとめますと、

日本と世界のズレは、
国民の資産に対する意識だけでなく、
国の経済にも起きており、

世界と足並みが揃えられず、
世界情勢の影響に対応ができないのが今の日本です。

円安による物価高も、
その影響を大きく受けています。

このズレを受け入れて今後も日本で過ごすのか。

それとも、現在と今後を顧みて動くべきなのか。

資産が目減りする今の状況から脱するには、
日本人や日本経済に足並みを合わせることや、
受け入れることではなく、

個人で世界情勢に合わせた資産形成を行うことが
重要となる時代に近づいたと私は思います。

吉岩 勇紀

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この記事は2022年9月21日配信のメールマガジンとなります。
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