PPSメールマガジンvol.23「止まらない韓国のウォン安」 2022.08.05 #メールマガジン

2022.7.29配信メールマガジン
止まらない韓国のウォン安

 

こんにちは。
PPSの吉岩です。

 

今回は、以前お伝えをした、
韓国経済とウォンについてです。

 

韓国はこの2年間、
非常に厳しい経済状況が続いております。

 

他国と同じくコロナショックや、
ウクライナ危機によるエネルギー高騰が、
経済に大きな影響を与え、

 

特に、自国通貨「ウォン」の暴落が止まらず、
日本で言う円安と同じく、
ウォン安が問題となっているのです。

 

今の円安は、
日本とアメリカの金利差による影響ですが、
韓国は日本とは違い、金利の利上げ繰り返しています。

 

その背景は、アメリカ利上げに対する追随、
自国の物価高への対応による利上げとなりますが…、

 

何度利上げをしても、
ウォンの価値は戻るどころか、
一時しのぎにしかならず、下がっているのが現状です。

 

そして、ウォンには1ドル=1200ウォンという
韓国政府が絶対に死守したいラインがありました。

 

突破されてしまうと、
経済に大きな打撃を受けると言われているラインです。

 

しかし、この死守ラインは、
すでに今年の頭には突破されており、
7月26日時点では1306ウォンと、
ウォンの価値低下はかなり深刻化しているのです。

 

円と同じく、ウォンも下がれば、
原材料の高騰や物価高が発生します。

 

この原材料の高騰が、
韓国の輸出貿易にも大きな負担を招きました。

 

韓国は輸出国家と言われており、
本来ならドル高ウォン安であれば、
輸出においてはメリットでなければなりません。

 

ですが、韓国の輸出構造は、
原材料と部品を外から輸入し、
それを加工して輸出する輸出加工貿易となります。

 

原材料が高騰すれば、
輸入する費用にコストがかかるため、
ウォン安が輸出の味方にはならず、
実際、現在の韓国貿易は赤字の状態です。

 

また、韓国は主に中国と貿易関係を結んでいましたが、
中国は昨今の技術革新により、
韓国を頼らずとも、自国で製品を作れる様になり、
輸出量が減少していることも赤字要因のひとつです。

 

① ドル高ウォン安で貿易が伸びない
② 企業の業績が悪化
③ 海外勢が経済悪化を懸念しウォン売り
④ ウォンがさらに安くなり悪循環の発生

 

この負のスパイラルを止めるべく、
政府が金利の利上げや、
ドルを売りウォンを買い支えるなど、
対策を続けておりますが、

 

利上げは国民に、
買い支えは国家の財政に負担がのしかかります。

 

まず、ウォンの買い支えにより、
韓国政府が持つドルは、
かなり減少しているのでは無いかと言われております。

 

国がドルを持たなくなれば、
以前にお伝えしたスリランカ破産の様に、
輸入が滞ることや、ドル担保の債務返済ができず、
財政危機を引き起こします。

 

そして、急速な利上げは、
国や企業のローン金利にも影響し、
国民は物価高と借金返済の二重苦に追い込まれます。

利上げをした結果、
経済が回らなかった場合、
国民に降りかかるのはやはりどの国でも変わりません。

 

この韓国やスリランカの状況を見て、
ドルの影響力というのは本当に計り知れないと
私は感じております。

 

ドルが無ければ、国家は安定させられず、
自国通貨を支えるためにドルを売る。

 

このドル基準の情勢は、
今のアメリカ経済に危機が訪れるか、
中国がアメリカを超す経済成長をしない限り、
崩れることのない循環かと思われます。

 

吉岩 勇紀

 

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この記事は2022年7月29日配信のメールマガジンとなります。
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