こんにちは。
PPSの吉岩です。
すでにご存じと思われますが、
先週末、ドル円は139円台に到達しました。
たった1日で2円進行の急展開。
今は137円~138円台で前後していますが、
140円台も射程圏内に入り、時間の問題です。
この急速な円安の背景には、
6月のアメリカ消費者物価指数(CPI)発表後の、
市場の動きが関係しています。
消費者物価指数は、
その月にどれだけ物価上昇が起きたかを表す値となり、
今回の発表値は予想を超えた上昇値でした。
日本の消費者物価指数は5月で2.5%、
アメリカは今回、6月9.1%と発表し、
日本以上のインフレが起きているかがわかります。
アメリカはコロナ禍から景気回復後、
今度は景気が過熱しすぎない様、
段階的な政策金利の利上げが行われています。
金利を上げることで経済が後退し、
インフレが抑制されるからです。
6月の物価指数から、高い利上げが実行されると予測され、
市場はドルに資金が集まっていったというのが、今回の背景でした。
ざっくり言えば、
「アメリカがこれから金利を上げるけど、
今回はいつも以上に上がりそうだから、
今のうちに資産をドルに移しとこう」というイメージです。
さて…、
今の日本の政策金利は-0.10%から変わらず、
アメリカは月末に1.75%から、
0.75%~1.00%の利上げが予想されています。
アメリカとの金利差は更に開き、
円安が収まらない状況ですが、
アメリカは年内までに、
あと3回の利上げを計画しています。
実際に行われるかは、
その時の景気状況によりますが、
利上げが起きれば金利差も開き、
円安もまた加速するでしょう。
米との金利差が埋まらなければ、
円安は150円台まで進行する。
その様に予想するアナリストもいますが、
私も同感で、そうあってもおかしくありません。
そして、この利上げは、
日本だけが受けている影響ではなく、
世界各国でも響いております。
なぜなら、現在の米ドルは、
世界の基軸通貨という立ち位置だからです。
自国通貨を持っている国でも、
ドルを持たない国はまず存在しません。
海外から輸入する場合では、
相手国の通貨もしくはドルで払うのが基本です。
国が国債発行で海外からも借金をしようとした場合でも、
自国通貨建ての国債では買ってくれる人は少ないですが、
ドル建て国債であれば、購入する投資家も現れます。
それだけドルというのは、
世界で使われる通貨だと言えます。
つまり、アメリカの景気や、
ドルの価値が変われば、各国にも影響が起きる。
世界経済はアメリカを中心に動いていると
言っても過言ではありません。
ロシアや中国は、
このドル基準の動きが気に食わないため、
ドル離れを起こそうとはしていますが、
まだまだドルの影響力が収まることはないでしょう。
また、先日お伝えしたスリランカ破産の件も、
国内の外貨が不足したことが原因でした。
輸入頼りの国は、
ドルと自国通貨の価格差が拡がるほど、
国家の運営にも不安がのしかかります。
それは、我が国日本もですが、
実は、韓国も同じ問題を抱えおり、
経済に陰りを見せはじめました。
この部分については、
また次回、お伝えしたいと思います。
吉岩 勇紀
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