こんにちは。
PPSの吉岩です。
すでにニュースで
ご存じの方もいるかもしれませんが、
先日、スリランカが財政危機により、
国家の破産が宣言されました。
国家破産は決して過去の出来事ではありません。
我が国日本も借金大国であるため、
明日は我が身ではないかと考えてしまいますが、
スリランカと日本では、状況が違う面もあり、
他山の石として見るべき面もあるため、少しお伝えします。
まず、スリランカの破産は、
外国への借金返済が滞ったことが
大きな原因となります。
外国から借りたお金を返すには、
借りてきた外貨で返済を行う必要がありますが、
スリランカは自国で持つ外貨が尽きてしまった為、
返済不可能の状態に陥りました。
日本の場合は、
借金はほとんどが円であり、
円建ての国債です。
日本国債も一部は海外ファンドが保有していますが、
ほぼ国内金融機関と日銀の自国内で回っております。
また日本は、
外貨保有量が世界トップクラスでもあるため、
外国への債務返済で、
国が破綻するケースは現状起こり得ません。
だったら、日本の借金は問題ない。
とも言いづらいのが今の日本経済ですが…。
話を戻し、
スリランカの国家破産シナリオとして、
簡潔にまとめると以下の流れとなります。
① 債務関連(外国からの借金)
中国より巨額の融資を受け、
国力向上を狙いインフラ開発を進めた結果…。
→返済での財政圧迫と外貨の減少
② 主力産業への大打撃
スリランカは観光業が盛んであったが、
テロ事件とコロナショックにより大幅に低迷。
→外貨獲得の収入源が失われ、資金繰りの危機へ
③ 輸入制限と経済危機
外貨が不足し、輸入をこれまで通り続けることが厳しくなり、
主力輸出品の原材料(繊維や肥料)の輸入が滞り国内生産量が悪化。
→食糧、燃料などの物資不足から物価高騰(インフレ)
→インフレや経済不安から国民の不安が高まる
→経済危機に突入
④ ウクライナ紛争からデフォルトへ
今年3月のウクライナ紛争により、
エネルギー資源が急騰し、輸入は更に困難に。
→国内で暴動とデモが発生
→5月に国債の利払いを返済できず、デフォルトを宣言
→自国通貨ルピーが暴落、半額以下の価値へ
→7月、首相自ら国家の「破産」宣言
このように、
国の政策により生まれた借金が、
そのまま財政の負担となり、
外貨獲得の主力産業であった観光業が、
コロナとテロから返済の充てを失い、
借金の返済に対する国の対応が、
輸入と物価に影響を与え、
経済の悪化を招いた形となります。
そして、最後には輸入のインフレ高騰が
国家にとどめを与えました。
また、中国の巨額融資の罠により、
借金漬けにされた結果とも見られております。
援助という形で融資を受け、
インフレ整備を進めましたが、
自国経済の潤いにつながることはなく、
借金の担保として、港を引き渡す結果にもなったのです。
さて、今のスリランカと日本に共通点があるとすれば、
「輸入品頼り」という点が挙げられます。
日本も食料品・原材料・燃料など、
多くの資源を輸入で賄っている国です。
今年の3月以降、
値上げが起きたことでも
体感されたかと思います。
現在のスリランカのインフレ率は、
50%を超えたと言われています。
今の日本で、
このようなインフレ率まで上昇すれば、
果たして生活し続けられるでしょうか。
先ほど、
日本の借金は問題ないとは伝えましたが、
実際は今の政策金利を維持すれば円安が続き、
金利を上げれば、
国債の利払いやローンの支払い額に影響を起こし、
経済悪化につながるため、
どちらに転んでも痛みが生じるのが現状です。
すなわち、経済が復興しなければ、
日本に財政危機や国家破産という不安は
常に付き纏う結果にになるでしょう。
スリランカでは現在もデモが活発となり、
大統領公邸を占拠されている姿が報道されています。
国家が元に戻るまで、
1年以上かかる見込みとも言われ、
一度崩壊した国は直ぐに元通りになることはありません。
また、テレビや新聞では、
あまり大きく報道はされていませんが、
興味がありましたら、
YouTubeなどでお調べください。
国家破産が宣言された国の
リアルな情景が映しだされています。
吉岩勇紀
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