PPSメールマガジンvol.21「他人事ではないスリランカ国家破産」 2022.07.22 #メールマガジン

2022.7.15配信メールマガジン
他人事ではないスリランカ国家破産

 

こんにちは。
PPSの吉岩です。

 

すでにニュースで
ご存じの方もいるかもしれませんが、

 

先日、スリランカが財政危機により、
国家の破産が宣言されました。

 

国家破産は決して過去の出来事ではありません。

 

我が国日本も借金大国であるため、
明日は我が身ではないかと考えてしまいますが、

 

スリランカと日本では、状況が違う面もあり、
他山の石として見るべき面もあるため、少しお伝えします。

 

まず、スリランカの破産は、
外国への借金返済が滞ったことが
大きな原因となります。

 

外国から借りたお金を返すには、
借りてきた外貨で返済を行う必要がありますが、
スリランカは自国で持つ外貨が尽きてしまった為、
返済不可能の状態に陥りました。

 

日本の場合は、
借金はほとんどが円であり、
円建ての国債です。

 

日本国債も一部は海外ファンドが保有していますが、
ほぼ国内金融機関と日銀の自国内で回っております。

 

また日本は、
外貨保有量が世界トップクラスでもあるため、
外国への債務返済で、
国が破綻するケースは現状起こり得ません。

 

だったら、日本の借金は問題ない。
とも言いづらいのが今の日本経済ですが…。

 

話を戻し、
スリランカの国家破産シナリオとして、
簡潔にまとめると以下の流れとなります。

 

① 債務関連(外国からの借金)
中国より巨額の融資を受け、
国力向上を狙いインフラ開発を進めた結果…。
→返済での財政圧迫と外貨の減少

 

② 主力産業への大打撃
スリランカは観光業が盛んであったが、
テロ事件とコロナショックにより大幅に低迷。
→外貨獲得の収入源が失われ、資金繰りの危機へ

 

③ 輸入制限と経済危機
外貨が不足し、輸入をこれまで通り続けることが厳しくなり、
主力輸出品の原材料(繊維や肥料)の輸入が滞り国内生産量が悪化。
→食糧、燃料などの物資不足から物価高騰(インフレ)
→インフレや経済不安から国民の不安が高まる
→経済危機に突入

 

④ ウクライナ紛争からデフォルトへ
今年3月のウクライナ紛争により、
エネルギー資源が急騰し、輸入は更に困難に。
→国内で暴動とデモが発生
→5月に国債の利払いを返済できず、デフォルトを宣言
→自国通貨ルピーが暴落、半額以下の価値へ

→7月、首相自ら国家の「破産」宣言

 

このように、
国の政策により生まれた借金が、
そのまま財政の負担となり、

 

外貨獲得の主力産業であった観光業が、
コロナとテロから返済の充てを失い、

 

借金の返済に対する国の対応が、
輸入と物価に影響を与え、
経済の悪化を招いた形となります。

 

そして、最後には輸入のインフレ高騰が
国家にとどめを与えました。

 

また、中国の巨額融資の罠により、
借金漬けにされた結果とも見られております。

 

援助という形で融資を受け、
インフレ整備を進めましたが、
自国経済の潤いにつながることはなく、
借金の担保として、港を引き渡す結果にもなったのです。

 

さて、今のスリランカと日本に共通点があるとすれば、
「輸入品頼り」という点が挙げられます。

 

日本も食料品・原材料・燃料など、
多くの資源を輸入で賄っている国です。

 

今年の3月以降、
値上げが起きたことでも
体感されたかと思います。

 

現在のスリランカのインフレ率は、
50%を超えたと言われています。

 

今の日本で、
このようなインフレ率まで上昇すれば、
果たして生活し続けられるでしょうか。

 

先ほど、
日本の借金は問題ないとは伝えましたが、
実際は今の政策金利を維持すれば円安が続き、

 

金利を上げれば、
国債の利払いやローンの支払い額に影響を起こし、
経済悪化につながるため、
どちらに転んでも痛みが生じるのが現状です。

 

すなわち、経済が復興しなければ、
日本に財政危機や国家破産という不安は
常に付き纏う結果にになるでしょう。

 

スリランカでは現在もデモが活発となり、
大統領公邸を占拠されている姿が報道されています。

 

国家が元に戻るまで、
1年以上かかる見込みとも言われ、
一度崩壊した国は直ぐに元通りになることはありません。

 

また、テレビや新聞では、
あまり大きく報道はされていませんが、

 

興味がありましたら、
YouTubeなどでお調べください。

 

国家破産が宣言された国の
リアルな情景が映しだされています。

 

吉岩勇紀

 

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この記事は2022年7月15日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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