PPSメールマガジンvol.138「円安の背景である日米金利差とは」 2023.12.08 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

ドル円の円安要因として、
主に日米の金利差が挙げられます。

私の配信や報道でも良く使われますが、
どんな状況なのかピンと来ない人もいるでしょう。

そこで今回は、
この日米金利差を解説したいと思います。

金利差により、
なぜ円安になるかも含めて、
金利の流れをおさらいしてみましょう。

まず、日米金利差とは、
主に以下の金利差に関連しています。

・政策金利
・短期金利(2年物国債利回り)
・長期金利(10年物国債利回り)

政策金利は、各国の中央銀行が
景気をコントロールするために
設定する金利を指します。

今の政策金利は、日本が-0.10%、
米国が5.25%~5.50%の範囲です。

米国はインフレ抑制のため、
政策金利を引き上げている一方、
日本はマイナス金利を継続しています。

こうした背景から日米金利差が生まれ、
円安の根本的要因となっているのです。

また、この政策金利は、
短期金利(2年物国債利回り)と
強く連動しています。

以下が現在の短期金利です。
日本:0.061%
米国:4.940%
※ 日本国債2年利回り値

同様に長期金利も
以下の数値となり、
金利の差が拡大しています。
日本:0.774%
米国:4.461%
※ 日本国債10年利回り値

最近は米長期金利の急上昇から、
円安に動く展開もありました。

こうした国債利回りの日々の変動にも
為替に影響を及ぼしています。

では、金利差が大きくなると、
なぜドル円に影響を与えるのでしょうか。

そもそも、お金は金利が低いところから、
高いところに動く性質を持っています。

理由も明確で、
金利が高い物で運用する方が、
利回りが大きいからです。

そのため、金利の低い円が売られ、
高いドルが買われる流れも強くなります。

これをキャリートレード(キャリー取引)と呼び、
金融市場で円のキャリートレードが過熱すると、
ドル円にも大きく影響を及ぼしています。

金利差が拡がると、
こうした動きも強くなるため、
円安から抜けづらい傾向へとなるのです。

各金利の説明と
金利差の影響については
以上となります。

日銀の金融政策決定会合や、
米FOMCが毎月注目されるのは、
短期金利と長期金利の指標となる
政策金利の発表があるからです。

日本円がドルだけでなく、
他の外貨でも円安となっているのは、
その国との金利差による影響です。

もちろん、
この金利差が全ての円安要因ではなく、
世界情勢や金融市場の動向からも変動します。

しかし、根本的要因として金利差は強く、
日米どちらかの政策金利に変化がなければ、
円安は今後も長期化することが予測されます。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2023年12月1日配信のメールマガジンとなります。
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