PPSメールマガジンvol.11「なぜ、日本の預金はここまで金利が低いのか」 2022.05.24 #メールマガジン

2022.4.20配信メールマガジン
なぜ、日本の預金はここまで金利が低いのか

 

こんにちは。
PPSの吉岩です。


いつもご覧いただきありがとうございます。


さて、円が125円台を突破し、
更なる円安が迫ってきている状況となっておりますが、
今回は、日本の預金金利についてお話しいたします。


こちらはよくご相談のなかでも、
「なんで日本って預金の金利がこんなに低いのですか」
という話題になることが多く、


一言で言えば、
景気が悪いからという理由になるのですが笑


金利は景気以外でも様々な要因で数値が決まるため、
一概に景気がすべてというわけではありませんが、
できるだけシンプルに今の金利についてご説明をしたいと思います。


■「短期金利」と「長期金利」について
まず金利は、大きく「短期金利」と「長期金利」の二つに分かれます。


「短期金利」は普通預金や1年以下の定期預金などの金利、
「長期金利」は住宅ローンや長期定期預金の金利に影響します。


長期金利は短期金利や10年国債の相場によって決まり、
国債の相場はその時の国内外の景気動向によって変動するため、
主に日本の景気により金利額が変動します。


では、短期金利はどのように決まるのか。


それは日本銀行(以下日銀)が政策金利を決め、
金利の調整を行っているのです。


■預金金利は日本銀行の調節次第で決まる
中央銀行とは、
一般の金融機関より上流に位置する銀行で、
「金融機関にお金を貸し出す銀行」です。


日本の中央銀行は日銀となります。


日銀が金融機関にお金を貸し出し、
一般の銀行はそれを元に企業や個人にお金を貸し出しているのが、
金融機関の流れとなります。


日銀はその他にも、「公開市場操作(オペレーション)」を実施して、
日本の市場全体に出回るお金をコントロールしています。


公開市場操作とは、
日銀が各金融機関の持つ国債や債券などを買取りまたは売却を行い、
日本に出回るお金の量と金利を調整しているのです。


「売りオペ」「買いオペ」という言葉がニュースで報道された場合、
日銀が市場に介入しお金を調整しているという状況です。


各銀行や市場へのお金の流通量を調節し、
流通量を増やして金利を下げる、逆に減らすことで、
金利が高くてもお金を借りたいという人を増やし、
金利を上げる方向に持っていくなどをして、
世の中の金利をコントロールしています。


景気や物価などの影響も複雑に影響しますが、
つまり、現在の金利状況は日銀の調整次第ということになります。


■金利がほとんど一緒なのは何故?
基本的に金利の設定は、自由化が認められているため、
銀行ごとで預金やローン金利をそれぞれで設定できますが、
実際は銀行ごとで牽制し合い、
どの銀行も大体似た金利になっているというのが現状です。


ネット銀行や、銀行の他サービスも受けた場合の優遇金利など、
多少の預金金利を上げている場合も少なからず見られますが、
それでも最大0.1%ぐらいまでの金利となるため、
多額の預金をしない限りは金利の恩恵を受けにくい額です。


また、他に比べ高い金利となっている場合は、
変動金利となっている口座も多いため、
どこまでその金利を受けられるかもわかりません。


■日本の今の政策金利は
現在、日本の政策金利は「-0.1%」という金利となっています。


これは、私たちの預金から徴収されるわけではなく、
一般の金融機関が日銀にお金を預けた際に徴収されるマイナス金利です。


日銀が金融機関からお金を徴収する形を取ることで、
金融機関が投資や融資にお金を回す効果を狙ったものとされております。


ここ10年の日本の政策金利は
2012年:0.10%
2013年:0.10% → 0.00%へ
2016年:-0.1%へ
となっており、超低金利政策が現在まで続いております。



今回は以上となりますが、
日本の預金金利が低いのは主に政策金利によるものですが、
そもそも金利が低い理由は、
バブル崩壊後のデフレ=不景気から脱出するためでした。


日銀が利上げに方向転換しないのは、
元々挙げていたデフレ脱却のための物価上昇率2%に達していないため
と言われていますが、


超低金利政策を続けていた弊害により、
・低金利を理由に住宅ローンを行なった人が、
 利上げにより返済額が上昇し、返済が滞る国民が現れる懸念
・国債の利払い費も増加するため、政府の負担額が上昇
という面もあるかと思われます。


このような状況だからこそ、
日本で預けるだけでお金が増えていくという時代は、
当面の間は来ないと考えられますが…。


政策金利が預金の金利にも影響されるのは、
日本だけでなく世界共通です。


各国の方向性はあるものの、
世界に目を向ければ、金利の高い銀行は海外では少なからず存在しております。


定期預金で資産を増やすという考えを持つならば、
海外での資産形成も視野に入れるべきだと考えます。


最後はちょっと営業的な話になってしまいましたが笑


次回は海外銀行を使うメリットをお話しさせていただければと思います。

PPS代表 吉岩 勇紀

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この記事は2022年4月20日配信のメールマガジンとなります。
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