PPSメールマガジンvol.10「円安・円高で受ける資産の影響」 2022.04.25 #メールマガジン

2022.4.16配信メールマガジン
円安・円高で受ける資産の影響

 

こんにちは
PPSの吉岩です。


前回の配信でお伝えした通り、
しばらくの間は資産形成の基本的な知識や用語について、
ご説明したいと思います。


まずは、度々話題となる円安と円高についてですが、
日本円は先日126円台を記録し、円安が進む真っ最中です。


円安で影響が起きるのか。
今の円は一体どういう状況なのか。


そして、円高ではどうなるのか。


すでに理解している方は、
今回のメールはスルーしていただいて笑


なんとなく、実はよくわかってない方は、
ご一読していただければと思います。


■円安・円高について
まず、日本円の価値は一定では無いということは、
これまでもお伝えしました。


その理由として、
円と外貨の相対的な価値は様々な理由で上下するためです。


よく円と比較されるのは、アメリカドルとの比較です。
1ドルが百何円という言葉を耳にしたことはあるでしょう。


これは1ドルを何円で交換できるかのレートです。


1ドル=100円を基準として、
1ドルに対し円が上下すると円安・円高と呼ばれる状態になります。


■円安とは
円安は円の価値が下がった状態のことを指します。


たとえば1ドル=100円から、
1ドル=150円になる状況ですと円安になります。


円の数字が大きくなったため、
円高と間違われることが稀にありますが、

実際は1ドルの交換に,
多くの円を支払うことになるため、
円の価値が安くなった=円安ということになります。


1ドル100円の時に、100円で輸入していた物が、
1ドル150円になれば、150円で輸入しなければならないため、
損をしてしまう感じになりますね。


つまり、
・円安だと輸入品の価格が高くなる
・海外からの材料仕入れ値が上がり、値上げせざるを得なくなる
などの理由から、物価が上昇します。


これらの物価上昇はインフレと呼ばれ、
円安の時は、インフレになると言われています。


また、円の価値が下がるため、
資産をすべて円で抱えている人は、
目減りさせてしまう状態となってしまいます。


円安に対して、
外貨預金や資産分散を勧められるのは、
こういった理由があるからです。


値上げばかりで生活面にデメリットを感じますが、
日本から海外輸出をメインにする輸出企業にとっては、
大きなメリットとなります。


1ドル100円で輸出していた商品を、
120円で輸出することになるため、
同じ製品でも儲けが大きくなるからです。


日本はトヨタなどの海外輸出企業が多いため、
円安の方が経済が好調になりやすいとも言われています。


■円高とは
円高は円安とは真逆の状態です。
メリットデメリットもすべて、円安と真逆の状態となります。


1ドル=100円から下回り、
1ドル=50円のような状態が円高です。


円安ではインフレが起きますが、
円高では物価の価格が下がり、
円の価値が上がることから、デフレという状態になります。


デフレになると、
輸入品が安くなり物価も安くなる傾向が強く、
円の価値も高いため、
円貯金だけでも資産を目減りさせることはありません。


しかし、輸出産業にとっては収益が減り、
大きな痛手となることや、

輸入品が安いことから、
国内でも日本製品の需要が減り、
経済が回らなくなるというデメリットがあります。

物が売れない
↓
売れないので更に値下げ
↓
利益が益々減少
↓
賃金低下や倒産
↓
収入が減り物が買われなくなる

というデフレスパイラルは、
近年の日本でも実際に起きた現象です。


■円安・円高はどうやって決まるか
円の海外需要により、円の価値は変動します。


たとえば、日本製品の海外需要が増えれば、
代金支払いのためにドルを円に替える人が増えるので、
円の需要が高まる=円高に進む傾向となります。


また、国の金利や株価でも通貨の価値が変わります。


アメリカの金利や株価が日本に比べ高まった場合、
投資家は円をドルに替え、ドルでの保有や投資を行います。


円需要↓ドル需要↑となるため、
相対的に円の価値が落ち、円安傾向に移ります。


その他にも、世界で有事が起きた際には、
円が世界で買われ需要が伸びて円高に。

日本のネガティブなニュースが世界に報道されれば、
円が売られ円安に。


このように様々な要因から、円の価値は変動しますが、
その円の価値をある程度一定に保つため、
日銀や日本政府が金利や政策でコントロールしています。


■円安・円高はどちらが良いか
円高は物価が下がるので国民の味方になる様に見えますが、
10年前の日本が1ドル70円台のデフレ経済だった時の様に、
円高の時は社会が不景気の傾向にあります。


今の不安な日本経済を回復させるには、
インフレから景気を良くすることです。


しかし、現在の日本は円安が進み、
インフレこそ起きていますが、

賃金などの収入は増えずに物価のみが上がる悪いインフレ、
「スタグフレーション」と呼ばれる状態になっています。


円安円高どちらにも問題があり、
どちらかが良いという点を一概には決めることはできません。



今回の円安円高のご説明は以上となります。


円安円高の変動は、多くの要因や突発的な事件により変わるため、
予測はできても、先行きは不透明の状態です。


これまでは円安=好景気、円高=不景気と言われていましたが、
そうとは言えない時代となりました。


海外に生産拠点を置く大企業も増え、
輸出国という面も以前に比べて弱くなった様にも見えます。


日本経済はかつてのデフレ経済を無くそうと、
現在までに多くのインフレ政策を行ないました。


しかし、コロナ禍やウクライナ侵攻などの情勢もあり、
今の状況は、物価や税の上昇のみを受けただけです。


国家でも自国通貨の価値をコントロールすることは難しいのです。


今後、アメリカと日本との金利差が離れることが予測されており、
円安が更に進むのではないかとも言われております。


当面、円安で日本経済が回るのであれば、
資産分散、外貨保有で円だけに依存しない資産形成を作ることが、
これまで以上に必要性が出てきたと感じます。


PPS代表 吉岩 勇紀
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この記事は2022年4月16日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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