こんにちは PPSの吉岩です。 前回の配信でお伝えした通り、 しばらくの間は資産形成の基本的な知識や用語について、 ご説明したいと思います。 まずは、度々話題となる円安と円高についてですが、 日本円は先日126円台を記録し、円安が進む真っ最中です。 円安で影響が起きるのか。 今の円は一体どういう状況なのか。 そして、円高ではどうなるのか。 すでに理解している方は、 今回のメールはスルーしていただいて笑 なんとなく、実はよくわかってない方は、 ご一読していただければと思います。 ■円安・円高について まず、日本円の価値は一定では無いということは、 これまでもお伝えしました。 その理由として、 円と外貨の相対的な価値は様々な理由で上下するためです。 よく円と比較されるのは、アメリカドルとの比較です。 1ドルが百何円という言葉を耳にしたことはあるでしょう。 これは1ドルを何円で交換できるかのレートです。 1ドル=100円を基準として、 1ドルに対し円が上下すると円安・円高と呼ばれる状態になります。 ■円安とは 円安は円の価値が下がった状態のことを指します。 たとえば1ドル=100円から、 1ドル=150円になる状況ですと円安になります。 円の数字が大きくなったため、 円高と間違われることが稀にありますが、 実際は1ドルの交換に, 多くの円を支払うことになるため、 円の価値が安くなった=円安ということになります。 1ドル100円の時に、100円で輸入していた物が、 1ドル150円になれば、150円で輸入しなければならないため、 損をしてしまう感じになりますね。 つまり、 ・円安だと輸入品の価格が高くなる ・海外からの材料仕入れ値が上がり、値上げせざるを得なくなる などの理由から、物価が上昇します。 これらの物価上昇はインフレと呼ばれ、 円安の時は、インフレになると言われています。 また、円の価値が下がるため、 資産をすべて円で抱えている人は、 目減りさせてしまう状態となってしまいます。 円安に対して、 外貨預金や資産分散を勧められるのは、 こういった理由があるからです。 値上げばかりで生活面にデメリットを感じますが、 日本から海外輸出をメインにする輸出企業にとっては、 大きなメリットとなります。 1ドル100円で輸出していた商品を、 120円で輸出することになるため、 同じ製品でも儲けが大きくなるからです。 日本はトヨタなどの海外輸出企業が多いため、 円安の方が経済が好調になりやすいとも言われています。 ■円高とは 円高は円安とは真逆の状態です。 メリットデメリットもすべて、円安と真逆の状態となります。 1ドル=100円から下回り、 1ドル=50円のような状態が円高です。 円安ではインフレが起きますが、 円高では物価の価格が下がり、 円の価値が上がることから、デフレという状態になります。 デフレになると、 輸入品が安くなり物価も安くなる傾向が強く、 円の価値も高いため、 円貯金だけでも資産を目減りさせることはありません。 しかし、輸出産業にとっては収益が減り、 大きな痛手となることや、 輸入品が安いことから、 国内でも日本製品の需要が減り、 経済が回らなくなるというデメリットがあります。 物が売れない ↓ 売れないので更に値下げ ↓ 利益が益々減少 ↓ 賃金低下や倒産 ↓ 収入が減り物が買われなくなる というデフレスパイラルは、 近年の日本でも実際に起きた現象です。 ■円安・円高はどうやって決まるか 円の海外需要により、円の価値は変動します。 たとえば、日本製品の海外需要が増えれば、 代金支払いのためにドルを円に替える人が増えるので、 円の需要が高まる=円高に進む傾向となります。 また、国の金利や株価でも通貨の価値が変わります。 アメリカの金利や株価が日本に比べ高まった場合、 投資家は円をドルに替え、ドルでの保有や投資を行います。 円需要↓ドル需要↑となるため、 相対的に円の価値が落ち、円安傾向に移ります。 その他にも、世界で有事が起きた際には、 円が世界で買われ需要が伸びて円高に。 日本のネガティブなニュースが世界に報道されれば、 円が売られ円安に。 このように様々な要因から、円の価値は変動しますが、 その円の価値をある程度一定に保つため、 日銀や日本政府が金利や政策でコントロールしています。 ■円安・円高はどちらが良いか 円高は物価が下がるので国民の味方になる様に見えますが、 10年前の日本が1ドル70円台のデフレ経済だった時の様に、 円高の時は社会が不景気の傾向にあります。 今の不安な日本経済を回復させるには、 インフレから景気を良くすることです。 しかし、現在の日本は円安が進み、 インフレこそ起きていますが、 賃金などの収入は増えずに物価のみが上がる悪いインフレ、 「スタグフレーション」と呼ばれる状態になっています。 円安円高どちらにも問題があり、 どちらかが良いという点を一概には決めることはできません。 今回の円安円高のご説明は以上となります。 円安円高の変動は、多くの要因や突発的な事件により変わるため、 予測はできても、先行きは不透明の状態です。 これまでは円安=好景気、円高=不景気と言われていましたが、 そうとは言えない時代となりました。 海外に生産拠点を置く大企業も増え、 輸出国という面も以前に比べて弱くなった様にも見えます。 日本経済はかつてのデフレ経済を無くそうと、 現在までに多くのインフレ政策を行ないました。 しかし、コロナ禍やウクライナ侵攻などの情勢もあり、 今の状況は、物価や税の上昇のみを受けただけです。 国家でも自国通貨の価値をコントロールすることは難しいのです。 今後、アメリカと日本との金利差が離れることが予測されており、 円安が更に進むのではないかとも言われております。 当面、円安で日本経済が回るのであれば、 資産分散、外貨保有で円だけに依存しない資産形成を作ることが、 これまで以上に必要性が出てきたと感じます。 PPS代表 吉岩 勇紀 ====================================
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