12月に入り、
ドル円は再び155円台に達しています。
昨年も一時的に同じ水準まで円安が進みましたが、
ここで重要なのは次の点です。
「同じ155円でも、昨年と今年では“価値”が違う」
これは印象ではなく、
通貨そのものの価値が毎年変化しているためです。
数字としての155円でも、
その背後で動く購買力や実質価値は、
まったく同じではありません。
■ 為替レートは“相対的な価値”にすぎない
多くの方が見落としがちなポイントがあります。
為替レートとは、
ドルと円という2つの通貨の“相対比較”の結果です。
つまり、
・円が弱くなったから155円なのか
・ドルが強くなったから155円なのか
・その両方が動いた結果なのか
表面の「155円」だけでは判断できません。
そこで鍵になるのが
通貨で買える物やサービス量を表す数値となる「購買力」です。
■ ドルの購買力はここ数年で低下している
米国では2022年以降、
インフレが粘り強く続いています。
その結果、ドルの実質的な購買力は
毎年少しずつ低下しています。
たとえば米国CPIは
2023〜2024年にかけて+3〜4%台。
これは、
「1ドルで買える物の量が、その分だけ減った」
という意味です。
数字は同じ1ドルでも、
中身の質量が違うイメージです。
そして、日本でもゆるやかなインフレが続き、
円の購買力も低下しています。
■ では、昨年の155円と今年の155円はどう違うのか?
整理すると、こうなります。
2024年の155円:
・ドルの購買力はすでにインフレで低下
・円は大きな金利差を理由に評価が下がっていた
→ “強いドル × 弱い円” の155円
2025年の155円:
・ドルの購買力は昨年よりさらに低下
・日本も実質インフレが進み円の価値が低下
→ “弱ったドル × さらに弱った円” の155円
つまり、同じ155円でも、
2025年のほうが「円の弱さが濃い155円」になっている
可能性が高いということです。
■ 結論:数字ではなく“価値”で資産を見る時代
このように、お金の「重み」は、
毎年じわりと変化していきます。
極端な例ですが、
100年後の1万円は今の1万円とはまったく違う
重みとなるでしょう。
1年という短いスパンでも、
私たちが持つお金の価値は少しずつ“痩せて”いきます。
身の回りの値上がりを思い返せば、
「今年の155円は、去年の155円より価値が安い」
という感覚が、きっと腑に落ちるはずです。
だからこそ、
資産を守るには数字ではなく、
通貨の“本当の価値”を見る視点が不可欠です。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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この記事は2025年12月5日配信のメールマガジンとなります。
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