PPSメールマガジンvol.147「地震と円の関係性」 2024.01.19 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

新年早々、石川県能登地方で
大きな地震が発生しました。

現在も余震が相次いでおり、
これ以上の被害が起こらない事を祈るばかりです。

被災された方並びに
そのご家族の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

さて、日本ではこれまでも
大きな震災が起きていますが、
日本円はその度に円高に動く傾向があります。

本来、日本経済の打撃となる状況であれば、
円が売られて円安となる傾向となるはずです。

ところが、過去の大震災では、
急激な円高に進むケースが多々ありました。

その理由ですが、
保険会社が多額の保険金支払いのため、
外貨資産を円に戻す動きがあるためと言われています。

また、日本企業が再建を理由に
円の買い戻しが活発になるためとも言われており、
これらをメディアの解説で耳にした方もいるかと思います。

この流れにより、
投資家や海外ヘッジファンドも
円買いの動きが強くなり、
震災=円買い=円高という流れが起こります。

しかし、これまで保険会社が
これらの行動を行なったと確認できる事実や資料は無く、
保険金の支払いも本来であれば数ヶ月以上かかります。

そのため、震災直後の為替変動が、
保険会社の円確保が理由とは考えづらいです。

どちらかと言えば、
保険会社や日本企業の動きより、
投資家やヘッジファンドの
「そうなるはず」との思惑から、
為替が円高に動いている可能性の方が高いです。

そして、今回の場合では、
ドル円は円高ではなく円安に動きました。

現在の日本の政策で期待されている
マイナス金利の早期解除が厳しくなり、
金融政策正常化へのハードルが高まったためです。

そう言った懸念や思惑の方が強かったため、
投資家や市場は円買いに動かなかったと考えられます。

さて、為替は事実や法則だけでなく、
様々な思惑で動きます。

定説だと思っていた法則も
実はその事実や根拠が無い場合もあります。

それまでの経験や流れから
「そうなるはず」との思惑で動くのも為替であり、
金融市場の特徴なのです。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2024年1月12日配信のメールマガジンとなります。
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