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有事なのに、なぜ金は下がったのか|PPSメールマガジン vol.359 2026.03.30 #メールマガジン

現在、イラン情勢の影響から
原油価格が大きく上昇しました。

ガソリン価格の高騰など、
生活への影響も出始めています。

そして、市場では次のような動きが起きています。

・金価格の下落(約8%)
・ドル高円安(160円目前)
・株価の下落(3週連続)

本来、有事では金の価格が上昇し、
円が買われて円高になる動きが一般的です。

それにもかかわらず、
逆の動きが起こっています。

この違和感の理由について、今回は整理します。

▼ なぜ、原油高が起点となったのか。

先に結論をお伝えすると、
今回の動きは「有事」ではなく、
「インフレの先読み」によるものです。

原油価格の高騰で上がるのは、
ガソリン代だけではありません。

電力や輸送などのコストも上昇します。

こうした負担増加に対し、
企業は値上げで価格転嫁せざるを得なくなります。

結果、物価全体が
押し上げられる環境になります(インフレ)。

▼ インフレが強まるとどうなるか。

物価上昇が続くと、
世界各国の中央銀行は、
金利を下げづらくなります。

この状態で利下げを行うと、
インフレがさらに加速するためです。

これまで利下げ方向にあった米国も、
そのペースが鈍化する見込みです。

そして、金融市場は、
「利下げ局面が遠のいた」と判断し、
金利の高い通貨を選ぶ流れが強まります。

現在のドル高円安も
日米の金利差が注目され、
ドルが買われやすい状態と言えます。

▼ 金はなぜ下がったのか

金は安全資産のため、
有事では需要が高まる資産ですが、
今回は急落しました。

これも原油高による
インフレが関係しています。

そもそも、金は利息を生まない資産です。

インフレが予測される環境では、
利息の付かない資産よりも
利息のある資産が有利になります。

今回の流れでは、
・原油高 → インフレ
・利下げ期待後退 → 金利維持
となり、金よりドルを選ぶ流れになりました。

これが、「有事なのに金が下がる」理由です。

▼ 株価への影響

株価は、次の3つの影響を受けます。

・原油高 → 企業コスト増
・インフレ → 消費の鈍化
・金利高止まり → 株の評価低下

企業コストの上昇は、
利益や業績の悪化につながります。

さらに、金利が高止まりする環境では、
株は割高と判断されやすくなります。

その結果、株価は下落圧力を受けやすくなります。

▼ まとめ

今回の影響を下記に整理しました。
→ 原油高が起点となり
→ インフレ懸念が強まり
→ 金利が下がらない前提に変化した

結果として、金や株価は下落し、
ドル円は円安方向に進行しました。

市場は「ニュース」ではなく、
その先にある「構造」で動きます。

今回のように、地政学リスクが
インフレを通じて影響する点は、
今後も重要な視点になります。

それではまた。

PPS.Llc代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年3月23日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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