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円に安心してしまう構造|PPSメールマガジン vol.356 2026.03.20 #メールマガジン

前回、「円だけで持つ不安」について、
その構造から整理しました。

今回は、その前提を逆に、
「円に安心してしまう構造」について、
もう一段掘り下げていきます。

▼ ホームアセットバイアスという現象

投資の世界には
「ホームアセットバイアス」
という概念があります。

本来は資産全体に見られる傾向ですが、
通貨にも同様の構造が働きます。

人は合理的に判断しているつもりでも、
実際には自国の通貨や資産を多く保有しやすい傾向があります。

理由は明快です。

・情報を得やすい
・制度を理解している
・言語が同じ
・日常で使っている

つまり、「自分の中で説明がつく」からです。

説明がつくものは安心しやすい。

しかし、ここで整理しておきたいのは、
説明できることと、安定していることは同じではない点です。

▼ 円は“通貨”というより“基準”

円は通貨であると同時に、
生活を測るための基準でもあります。

基準になっているものは、
評価の対象になりにくい。

評価されないものは、疑われません。

疑われないものは、安心として残ります。

これは通貨の強弱の問題ではなく、
設計の前提の問題です。

▼ 安心は「環境に最適化された結果」

私たちの通貨設計は、
日本という環境に合わせて自然に形づくられています。

生活も制度も税も円で動いている。

その環境に最適化されるのは、
ある意味で合理的です。

しかし、ここで一つの視点があります。

最適化とは、
「その環境の中では効率的」
という意味です。

環境が変われば、
最適な設計も変わる可能性があります。

安心は、絶対的な安定の証明ではなく、
今の環境に適合している結果かもしれません。

▼ 問題は通貨ではなく、無意識

円は主要通貨であり、
生活において機能しています。

ただしそれは、
日本の環境のなかで得られている
安心と効率という前提があるためです。

この感覚的な安心が無意識のままだと、
それが資産設計の前提として残ります。

守るという視点に立ったとき、
重要なのは通貨の好き嫌いではなく、
設計が意識的であるかどうかです。

その前提があることに、
まず気づくことから始まります。

それではまた。

PPS.Llc代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年3月13日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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