1月末、金と銀の価格に
記録的な下落が発生しました。
金はおよそ10%、
銀は一時的に30%近い下落幅を見せ、
上昇基調にあった相場に突如として
ブレーキがかかった格好です。
今回はこの急落の背景と、
なぜ金や銀がそれまで大きく
上昇していたのかについて整理します。
▼ 金銀価格高騰の背景
金は長らく「安全資産」としての
地位を保ち続けてきましたが、
ここ1年ほどの価格上昇は特に著しいものでした。
主な理由は、米ドルの信認低下です。
トランプ政権下での外交の不確実性や、
財政赤字の拡大懸念。
さらには中央銀行のFRBに対して
繰り返される政治的圧力など、
米政府に対する不安感が広がりました。
こうした不安は
そのまま通貨への不信感に繋がり、
ドルからの資産逃避として
金や銀への需要が一段と強まりました。
加えて、近年はETFを通じて、
個人投資家でも金を手軽に保有できるようになったことも、
需要拡大を後押ししています。
従来は中央銀行や富裕層が
主体だった金の保有層に裾野が広がり、
市場全体での買い圧力が一段と高まっています。
▼ なぜ急落したのか
転機となったのは、
FRB次期議長の人事報道でした。
トランプ大統領は1月30日、
次期FRB議長にケビン・ウォール氏を指名。
ウォール氏は「利下げに慎重なタカ派」
と見なされている方です。
市場ではこれまで、
・トランプ大統領は利下げに積極的
・次期議長も同様のスタンスの人を指名
・利下げ増加からドルの価値は低下する
しかし、タカ派と見られる
人物の指名により、この見方が後退。
ここまで進んでいた
ドルから金に動く流れも反転しました。
投機筋などの短期トレード勢も
ポジションを解消する流れとなり、
結果、金銀の急落が起こりました。
▼ まとめ - 安全資産は“絶対”ではない
以上が今回の背景です。
金や銀は「有事の資産」
「インフレヘッジ」として注目される一方で、
投資家心理や金融政策の変化によって
大きく価格が動くことがあるのも事実です。
昨今のように、地政学リスクや
財政不安が複雑に絡み合う中では、
金銀市場にも過度な期待や不安が流れ込みやすく、
乱高下が起きやすくなっています。
金や銀の持つ本質的な価値は変わらなくとも、
価格は常に市場の心理で揺れ動くということを、
今回の急落は改めて示しました。
重要なのは、
金や銀が「危ない資産」なのではなく、
「どういう役割で持つ資産なのか」を理解することです。
今後も通貨の信頼性や
政策動向を見極めながら、
冷静に市場を捉えていきたいものです。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
====================================
この記事は2026年2月6日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。
最新の情報を受け取りたい方は、
下記URLからメールマガジンをご登録ください。
■メルマガバックナンバー
https://pps-life.co.jp/mailmaga/
■メールマガジン登録
https://pps-life.co.jp/mailmaga/form/
====================================