PPSメールマガジンvol.87「Apple預金が高金利な理由」 2023.05.26 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

最近Appleが始めた預金サービスが話題になっていますね。

この預金は年利4.15%と高金利であり、
日本から見ても羨ましいサービスですが、
現在は米国在住者のみに提供されています。
(PPSでもサポートはできません笑)

預金口座そのものは、
米金融大手ゴールドマン・サックスが提供しており、
Appleのブランドと合わせて非常に信頼の高い運用先となります。

実際にサービス開始から4日間で
1360億円もの入金があったとの報道もありました。

高金利という点だけでなく、
現在の米経済の金融不安から
経営が不透明な銀行よりもAppleに預ける方が安心できる。

そういった心理的な要素から、
多くの人々が新たな預金先として選んでいるのも予測されます。

また、この口座は定期預金の縛りもなく、
投資信託のようなリスクもない普通預金です。

Appleが発行するカードで決済すれば、
キャッシュバックも受けられる特典もあるため、
同じ金利で投資をするなら、
運用先を変える人もいるでしょう。

預金と決済の両方に魅力的なこの口座ですが、
Appleがこのように金融サービスを始めた背景には
どのような戦略があるでしょうか。

大手企業が金融業に参入するのは珍しいことではありません。

日本でも、ソニーや楽天、KDDIなどが金融サービスを展開し、
自社サービスの円滑化や事業の黒字化に成功しています。

金融サービスの提供の行うことで、
自社サービスをより強く顧客に結びつけることが可能です。

Appleも金融サービスを提供することで、
iPhoneだけで全てを完結できる
Apple経済圏をより発展させることができます。

資金管理から決済まで、
全てをiPhoneで成立できるようになれば、
iPhoneの存在感はますます強くなり、
需要も増加することになるでしょう。

さらに、顧客の口座情報や決済データを収集し、
ユーザーのニーズに合わせた次のサービスの展開も可能になります。

したがって、この高金利も
新規ユーザーを引きつけるための戦略と言えます。

日本の電子マネーのような「○○PAY」と同じく、
ポイント還元などのメリットでユーザーを集める手法です。

そのため、どこかのタイミングで、
金利や手数料の面で改悪が起きるかとは思われます。

日本はiPhoneのシェア率が高い国でもあるため、
将来的にサービスを開始するかもしれませんが、
円預金の場合、金利にあまり高い期待はできない予感もします。

 

 

さて、この高金利預金の登場により、
米銀行の預金金利に変化が起きるのか注目されています。

ユーザーが高金利の口座に資金を移したことで、
他の金融機関も対抗して
高金利のサービスを開始する可能性もあります。

そうなった場合、
米国の預金金利も上昇する流れになるかもしれません。

一般的に金利が上がれば、
「金利上昇→景気後退→金利低下→景気回復→金利上昇」
と言った景気変動の経済サイクルがあります。

絶対にそうなるとは限りませんが、
このApple預金が銀行金利上昇の引き金となれば、
米国の景気が落ち着く前兆にもなるでしょう。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2023年5月19日配信のメールマガジンとなります。
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