こんにちは、
PPSの吉岩です。
ゴールデンウィークも終わり、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
先週、日本が連休の間も、
アメリカでは大きなイベントが続き、
株やドル円にも影響を及ぼしました。
・米First Republic銀行の経営破綻と買収
・FOMCでの0.25%の利上げ決定
・米雇用統計の発表
・金融不安を受け、米地銀株の乱高下
今回はこれらのイベントについて、
簡潔にお伝えしたいと思います。
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米First Republic銀行の経営破綻と買収
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アメリカの中堅銀行である
ファースト・リパブリック銀行は、
5月1日に経営破綻を発表しました。
ファースト・リパブリック銀行は、
4月の決算発表で、
預金残高が大幅に目減りしていることが伝わりました。
3月に起きた米金融不安以降、
アメリカの各銀行では預金流出が相次いでいます。
ファースト・リパブリック銀行も例外ではなく、
残高の大幅減少は投資家や金融市場にとって、
銀行経営に対する懸念を招く情報です。
そして決算後、
更なる預金流出と株価急落が起こり、
経営破綻という結果になりました。
この件については、
すでに大手銀行のJPモルガンが買収を発表し、
市場への大きな混乱には至っていません。
ですが、後述する米地銀株の乱高下など、
金融不安が未だに残る状況を表しています。
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FOMCでの0.25%の利上げ決定
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3日に行われたFOMCでは、
0.25%の利上げが発表されました。
昨年から合わせると、
累計5%の政策金利の利上げとなります。
利上げに関しては、
大方の予想通りの展開でしたが、
今回の声明から利上げ継続に関する文章が削除され、
次回以降の停止を予感させる内容となりました。
しかし、
インフレ抑制が第一目標であることは変わらないため、
今後の経済指標の結果や情勢次第で、
引き続き利上げとなってもおかしくは無いかと思われます。
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米雇用統計の発表
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4月の米雇用統計は、
市場予測を超えた結果が発表されました。
この結果から、
次回FOMCでの利上げ停止や、
利下げ転換などの予測が弱くなったと評されています。
また、最近の雇用統計では、
平均時給額が注目されることも多く、
現在のアメリカの時給額は、
平均で4000円を超える状況とのことです。
日本では考えられない額ですが、
これも加熱したインフレを現す数値とも言えます。
とはいえ、
一度上げれば中々元に戻せないのも
賃金・時給の特徴です。
今後どの程度まで落ち着かせていくかが、
米経済の課題のひとつとなります。
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金融不安を受け、米地銀株の乱高下
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これまで3つの米銀行が経営破綻となりましたが、
すべて当局による迅速な対応と処置がなされています。
また、経済指標を見ても、
米経済の景気もまだ後退する様子はありません。
しかし、
3月に起きた金融不安は、
金融市場に根深く残っています。
とくに、預金流出の多い米銀行や、
収益が悪化している銀行に対し、
株が売られる展開が目立ち始めました。
今日までに破綻した銀行も、
経営への懸念から株価の暴落、
更なる預金流出により、
破綻を宣言せざるを得ませんでした。
米地銀株の下落が目立つ一方、
アナリストの発言やレポートから、
株価を元に戻す、またはそれ以上に上昇するなど、
材料ひとつで乱高下を起こしています。
これも投資家や金融関係者の思惑が
強く影響している市場状況である言えます。
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まとめ(ドル円の影響)
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さて、ドル円は日本の日銀会合後、
137円まで円安に推移していました。
その後の金融不安の影響や
FOMCの発表により134円台となりました。
現在は米雇用統計の影響などを受け、
本日朝に135円を突破し、
134円〜135円の範囲で推移しています。
今後の推移としては、
今週水曜日に米CPIが発表されるため、
こちらで動きがあることも予想されます。
また、金融不安を巡って
米銀行に関するニュースがあれば、
株価だけではなく、
為替にも影響を及ぼす展開もあります。
先ほどもお伝えした通り、
米銀行に関する金融不安は、
些細な情報ひとつで変動が起きる繊細な状況です。
米経済が今後、
大きな綻びが無く景気後退ができるか、
更なる連鎖破綻を招いてしまうか、
展開次第でドルと円の価値のバランスも変わるでしょう。
今回はここまでとしますが、
今後も経済状況の解説や、
今の状況でもドルと円を持つ必要性などを
お伝えしていこうと思います。
それではまた!
PPS.Llc代表 吉岩勇紀
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この記事は2023年5月8日配信のメールマガジンとなります。
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