PPSメールマガジンvol.68「それでも物価を上げなければならない理由」 2023.03.17 #メールマガジン

こんにちは。
PPSの吉岩です。

昨年から物価上昇が続く日本、
2023年1月の日本の物価上昇率は、
4.3%と発表されました。

日銀の掲げる物価目標は2%とされており、
大幅に目標を超えている状況です。

あくまでも安定が目標であるため、
2%台に落ち着くことが政策のゴールとなります。

ですが、この異常な物価高は
我々にとっては大きな負担であり、
できるなら低い方が良いのが本音ではないでしょうか。

物価の上昇に何の意味があるのか、
国がここまで物価目標にこだわる理由とは。

それは、物価こそが景気に
大きく関わる指数であるからです。

 

 

まず物価は需要と供給のバランスで
価格が決まると言われています。

供給より需要が高くなれば、
物の値段は上がっていきます。

これは個別の物だけの話でなく、
社会全体で見た物価でも同じです。

日本中の人が物を買いたいと考える様になり、
お金を使う消費活動が活発になれば、
物価もそれに併せて上昇します。

その流れこそがインフレと呼ばれる状態ですが、
インフレは物価上昇だけではなく、
「賃金が上がり、景気が良くなる」
というサイクルも持ちます。

社会全体で賃金が上がると、
積極的にお金を使おうとする人が増えるので、
物やサービスに対する需要が増加します。

企業も需要に合わせた値上げを行い、
さらに高価な商品やサービスの展開も進められ、
これらが物価上昇として表れていきます。

また、値上げが定期的に行われる流れもあるため、
値上げ前に物を買おうと考えるふとも増え、
消費活動が活発化していくのです。

そして、物価上昇の恩恵から企業の業績が伸び、
従業員に賃金上昇として還元されます。

賃金が増えた人は更にお金を使おうと考えるなど、
物価と賃金の上昇が循環し、
景気が上向きになる流れが本来のインフレです。

逆に物価の安くなるデフレは、
インフレと逆のサイクルで動きます。

物価が安く下がる方向ですが、
賃金自体も減少しているため
物が売れない・需要の低い時代です。

企業は値下げで対応するか、
安価な商品やサービスの販売に移ります。

需要が少なくなり物の価格が下がっていく、
これがデフレのサイクルです。

さらに…、
企業は業績が下がるため、
支出を削らなければなりません。

その支出である人件費の部分が
景気に大きな影響を与えます。

社員の賃金カットだけではなく、
正規雇用者を減らし、
賃金の低い非正規社員を増やす流れが起きます。

デフレ時にリストラや希望退職の話題が多くなるのは、
業績低下による人員整理が必要となるからです。

そして、その状況で企業は人を雇う力も減るため、
デフレ下の若者は就職難に陥ります。

これらデフレの影響は、
過去の日本でも思い当たる場面があるかと思います。

たとえば、
マクドナルドなど飲食店の異常な値下げ競争や、
バブル崩壊の影響を受けた就職氷河期。

これらの時代は物価そのものは低い時代でしたが、
決して経済的に豊かな時代ではありません。

物価が安くなるのは良いことだけではなく、
低賃金と景気低迷という経済的な問題を持ちます。

そのため、日本を含め世界各国でも、
物価を安定させる様に政策を進めているのです。

しかし、現日本のインフレは、
「コスト・プッシュ型」と言われる
賃金が増えず物価だけが上がる悪いインフレです。

アメリカはパートで年収1000万稼げると
言われるほどインフレが進んでおり、
日本から見れば羨ましい状況とも言えます。

ですが、米国民のカード負債が深刻化など、
景気急進の裏で負の面も表れはじめており、
我々の想像以上に生活に対する負担が大きいのかもしれません。

行き過ぎたインフレは、
リーマン・ショックの様な状況を招くリスクも持つため、
アメリカも緩やかな景気後退を狙い慎重な対応が行われています。

日本では、賃金上昇からの景気回復が
まさしくこれからといったところですが、
今後の好転を期待せざるを得ない状況と言えます。

経済に関しては最早悲観か期待するしか無く、
どちらに転んでも良い様に準備をしなければなりません。

経済影響で大きく変わるのが、我々の資産だからです。

本来であれば経済成長の恩恵で
資産を増やしていくのが資産運用ですが…。

景気後退や影響を受けにくくする対策も必要であり、
資産を目減りさせず守るための方法とも言えます。

今の状況からできる手立てを少しでも進める。

将来的に出来る様に計画していく。

今持っている資産を無駄に目減りさせない様、
資産形成を進めていきましょう。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

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この記事は2023年3月9日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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