9月4日の米雇用統計後、
外国為替市場ではドルが買われ、
米国債の利回りも上昇しました。
ドル高は、ドル建て資産の
円換算額にはプラスに働きます。
一方、金利が上がると、
米国債の価格は下がることがあります。
「ドルが上がったのに、
保有資産は思ったほど増えていない」
そんな動きが起きるのは、
ドル資産の損益が為替だけでは
決まらないためです。
今回は、金利と債券価格の関係から、
ドル資産を見る際のポイントを整理します。
▼ 強い雇用で米金利とドルが上昇
9月4日に発表された米国の雇用統計では、
8月の非農業部門雇用者数が
前月から16.2万人増加しました。
市場予想の5.6万人増を大きく上回り、
失業率も4.1%で前月から変わっていません。
雇用は市場の想定よりも強いと受け止められ、
FRBが9月に追加利上げへ動くとの
見方が強まりました。
その結果、米国債の利回りとドルが上昇。
雇用統計の数字だけでなく、
そこから金融政策がどう変わるかまで
先回りした動きです。
▼ 金利が上がると、債券価格は下がる
米国債の利回りと価格は、
反対方向に動きます。
例えば、年3%の利息を受け取れる
米国債を保有しているとします。
その後、市場金利が上がり、
新たに年4%の米国債が発行されれば、
投資家は利息の多い方を選びたくなります。
年3%の米国債を売るためには、
価格を下げて、買い手にとっての利回りを
高めなければなりません。
これが、金利上昇によって
発行済みの債券価格が下がる理由です。
米国債を満期まで保有すれば、
途中の価格変動にかかわらず、
原則として額面金額が返済されます。
一方、満期前に売却する場合は、
購入時より低い価格となり、
損失が生じる可能性があります。
▼ ドル資産は、3つに分けて見る
ドル建て債券の損益を見るときは、
「為替」「債券価格」「利息」の
3つに分けて考える必要があります。
ドル高は円換算額を押し上げますが、
金利上昇で債券価格が下がれば、
その分だけ利益が相殺される可能性があります。
そこに保有期間中の利息を加えたものが、
ドル建て債券のおおまかな損益です。
同じドル資産でも、
商品によって値動きの要因は異なります。
ドル預金なら、主に為替と預金金利。
ドル建て債券なら、
為替に加えて債券価格と利息。
米国株なら、企業業績や
株価の動きも影響します。
ドル資産を見るときは、
「どの通貨で持っているのか」だけでなく、
「何を持っているのか」も分けて考える。
為替と商品の値動きを切り分けることで、
米金利が保有資産に与える影響を
理解しやすくなります。
PPS代表 吉岩 勇紀
====================================
この記事は2026年9月7日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。
最新の情報を受け取りたい方は、
下記URLからメールマガジンをご登録ください。
■メルマガバックナンバー
https://pps-life.co.jp/mailmaga/
■メールマガジン登録
https://pps-life.co.jp/mailmaga/form/
====================================