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8月ドル円まとめ – 円高はなぜ続かなかったのか |PPSメールマガジン vol.401 2026.09.07 #メールマガジン

8月のドル円相場は、
一時155円台まで下落したあと、
再び160円台まで上昇しました。

7月末には日米による協調介入で
急速に円高が進んだものの、
その流れは長く続きません。

8月中旬には159円台へ戻り、
月末には再び160円台。

大規模な為替介入で
相場が大きく動いたにもかかわらず、
なぜ円高は続かなかったのでしょうか。

今回は8月のドル円相場を振り返りながら、
その背景を整理します。

▼ 上旬:介入と雇用統計で円高圧力

8月前半は、
円高につながる材料が重なります。

まず大きかったのが、
7月末の日米による協調介入です。

7月に163.99円まで上昇していた
ドル円は大きく下落。

8月3日には、
一時155.20円をつけました。

さらに8月7日には、
米国の7月雇用統計が発表されます。

非農業部門雇用者数は、
市場予想の8万人増に対して2.3万人減。

予想を大きく下回る結果となり、
米国の雇用減速が意識されました。

これを受けて、
ドル円は一時156円台まで下落。

月初は為替介入に加えて
米国の雇用減速への懸念も重なり、
円高方向への圧力が強まった形です。

▼ 中旬:弱い雇用でも159円台へ

ところが、
円高方向への流れは定着しませんでした。

8月中旬になると、
ドル円は再び159円台まで上昇します。

7月の雇用統計を受けて、
FRBの追加利上げ観測は後退したものの、
日米の金利差は依然として大きい状態です。

日本の政策金利は1.0%。

一方、米国は3.50~3.75%です。

介入によって一度は
円売りの動きが大きく巻き戻されましたが、
円安につながっていた金利環境まで
変わったわけではありません。

そのため市場が落ち着くにつれて
再びドル買い・円売りが入り、
ドル円は159円台まで戻っていきました。

▼ 下旬:インフレ警戒で再び160円台へ

月末に入ると、
米国のインフレが再び意識されます。

7月のPCE物価指数は
前年比3.7%の上昇となり、
FRBが目標とする2%を大きく上回りました。

さらに8月28日、
ウォーシュFRB議長は
ジャクソンホールの講演にて、
現在は雇用よりも物価への警戒を
優先すべきとの姿勢を示します。

これを受けて、
市場では9月の追加利上げ観測が強まり、
米2年国債利回りも上昇。

ドル買いが再び優勢となり、
8月31日にはドル円が
160円台をつける場面もありました。

月初に155円台まで進んだ円高は、
約1か月でほぼ巻き戻された形です。

▼ 8月に見えたこと

8月のドル円相場を見ると、
為替介入の影響は
決して小さくありませんでした。

163.99円から155.20円まで、
短期間で相場を大きく動かしています。

ただ、円安の背景となっていた
日米の金利差まで
なくなったわけではありません。

米国の雇用統計が弱くても
円高は定着せず、
月末にはインフレへの警戒から
米国の利上げ観測が再び強まりました。

つまり8月は、
介入の効果がなかったのではなく、
介入後も残った金利環境が
再び相場の中心に戻った1か月です。

一方、160円台に入ると
再介入への警戒も意識されます。

ただし、160円が
固定的な介入ラインなのかは不明です。

ベッセント米財務長官は8月30日、
最近の円相場について
大きく混乱した動きではないとの
認識を示しています。

9月は日米の金融政策に加えて、
円安がどの程度の速さで進むのか。

そして日米の当局が
その動きをどう判断するのかも、
注目ポイントになりそうです。

PPS代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年8月31日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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