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今年のジャクソンホール、テーマは「お金の動き方」|PPSメールマガジン vol.400 2026.09.04 #メールマガジン

米国で8月27日から、
ジャクソンホール会議が始まっています。

市場で特に注目されるのは、
FRBが利上げや利下げについて何を語るのかです。

ところが、
今年の公式テーマを見ると、
少し様子が違います。

「金融イノベーション:決済と政策への影響」

つまり今年は金利だけではなく、
「お金をどう動かすのか」も
大きなテーマになっています。

▼ 今年のテーマに入った「決済」

中央銀行というと、
政策金利を決める組織という
印象が強いかもしれません。

しかし、金利の調整だけでなく、
お金が安全に決済され、
金融システムへの信頼を
支える役割も持っています。

そして現在、
その決済の仕組み自体が
大きく変わろうとしています。

背景にあるのが、
ブロックチェーンなどを利用した
金融のデジタル化です。

▼ 銀行預金も「トークン」になる

その動きは、
すでに銀行の世界でも
始まっています。

8月19日、
英スタンダードチャータード銀行とHSBCは、
Swiftのブロックチェーン型台帳を使った
銀行間のトークン化預金取引を初めて実施しました。

ここで使われた「トークン化預金」とは、
銀行預金をプログラム可能なデジタル台帳上で
扱えるようにしたものです。

この名前だけを見ると、
暗号資産のようなイメージが浮かびますが、
ビットコインなどとは性質が異なります。

新しい通貨を作るのではなく、
銀行に預けられたお金を、
デジタル台帳上で扱える形にしたものです。

つまり、お金そのものが別物になるのではなく、
預金を動かす仕組みが変わるイメージです。

▼ 預金をトークン化すると、何が変わるのか

現在の国際送金では、
送金から着金までに時間がかかることがあります。

その背景には、
複数の銀行を経由することや、
国や銀行によって、
営業時間が異なることがあります。

さらに、取引の照合や確認など、
裏側でも複数の処理が必要です。

預金をトークン化し、
共通のデジタル基盤上で扱えるようになれば、
24時間の決済や、より効率的な銀行間取引に
つながる可能性があります。

実際、Swiftでは現在、
世界の17行がトークン化預金を利用した
国際決済の実用化に向けて、取り組みを進めています。

▼ 変わるのは、暗号資産だけではない

金融のデジタル化というと、
ビットコインなどの暗号資産を
思い浮かべる人も多いと思います。

ただ、現在起きている変化は
それだけではありません。

既存の銀行も「預金」という
現在の金融システムの中心にあるお金を、
新しい仕組みで動かそうとしています。

国際決済銀行(BIS)でも、
8つの中央銀行と40を超える金融機関が参加し、
トークン化された銀行預金などを使って、
国際決済を効率化する
「Project Agorá」を進めています。

金融のデジタル化は、
新しい通貨を作るだけではなく、
今ある銀行や預金の仕組みを
どう進化させるかという段階にも入っているのです。

▼ 今年のジャクソンホールが映すもの

ジャクソンホールでは毎年、
FRBが金融政策について
何を語るのかが注目されます。

もちろん、今年も金利の行方は重要です。

ただ、今年の公式テーマに
「決済」が入ったことは、
金融業界で起きている変化を
象徴しているともいえます。

お金の価値に影響する「金利」だけでなく、
そのお金を、どのような仕組みで動かすのか。

世界の金融機関や中央銀行が、
その次の形を模索し始めています。

今年のジャクソンホールは、
金融政策だけでは見えない
金融の変化にも注目したいところです。

PPS代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年8月28日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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