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米30年債5.34%、財務省が動いた3日間|PPSメールマガジン vol.399 2026.08.31 #メールマガジン

先週、米国の国債市場が大きく動きました。

8月18日、米国の30年国債利回りは
一時5.34%まで上昇。

2007年以来、
約19年ぶりの高水準です。

翌19日には、
米財務省が長期国債の
買い戻し規模を倍増すると発表。

これを受けて、
30年債利回りは5.18%台まで
急低下しました。

ところが、
その動きは長く続きません。

20日には再び上昇し、
前日の低下分の多くを取り戻しました。

わずか数日の間に、

5.34%まで上昇

米財務省が買い戻し拡大

利回りが急低下

再び上昇

という動きが起きたことになります。

▼ 長期金利を押し上げたもの

米国債の利回りが
ここまで上昇した背景には、
複数の要因があります。

中東情勢を背景とした原油高による
インフレへの警戒。

さらに、米国の財政赤字や
国債発行の増加なども、
長期金利を押し上げる材料となっています。

先週は米国だけでなく、
日本や欧州でも長期金利が上昇しました。

長期国債を保有する投資家が、
以前より高い利回りを求めるようになっています。

▼ 翌日、米財務省が動いた

こうしたなか、
8月19日に米財務省が発表したのが、
長期国債の買い戻し拡大です。

10年から30年の国債について、
1回あたりの買い戻し額を
最大20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増。

9月から11月にかけて
実施する方針を示しました。

発表を受け、
30年債利回りは5.18%台まで低下。

国債は買われると価格が上がり、
利回りは下がります。

これにより、
長期金利の上昇にも
いったん歯止めがかかりました。

▼ それでも、金利は戻った

しかし、翌20日には
30年債利回りが再び上昇。

買い戻し発表による
金利低下は長く続きませんでした。

また、ベッセント米財務長官は、
買い戻し額をさらに増やす可能性にも言及しています。

それでも、市場が完全には落ち着かなかったのは、
今回の買い戻しだけでは
変わらない問題があるためです。

▼ 買い戻しで変わらないもの

今回の買い戻しは、
FRBによる量的緩和とは異なります。

また、米国の政府債務そのものを
減らす政策でもありません。

市場で取引されている国債を買い戻し、
長期国債の流動性を支える措置です。

そのため、
財政赤字や今後の国債発行まで
解消されるわけではありません。

実際、米国の政府債務残高は先週、
初めて40兆ドルを突破しました。

この金額の大きさだけで
米国債の安全性は判断できません。

ただ、国債を大量に発行する状況が続けば、
投資家がどの程度の利回りを求めるのかが、
より重要になります。

▼ 市場が求める「上乗せ金利」

30年国債を購入する投資家は、
長期間にわたってインフレや財政、
国債価格の変動といった不確実性を引き受けます。

そのため、将来への不透明感が強まるほど、
「長期間保有するなら、
もっと高い利回りが欲しい」
と考える投資家も増えます。

こうした長期保有に対する
上乗せ分は「タームプレミアム」と呼ばれ、
足元では約12年ぶりの高い水準まで上昇しています。

▼ 先週の3日間が示したこと

金利のニュースでは、
FRBの利上げや利下げに
目が向きやすくなります。

もちろん、政策金利は重要です。

ただ、10年、30年と期間が長くなるほど、
将来のインフレや財政、国債の需給、
長期保有に必要な利回りなど、
さまざまな要素が市場価格に反映されます。

先週起きた、
5.34%まで上昇

財務省が買い戻しを拡大

急低下

再び上昇
という動きは、
その違いが表れた一例です。

だからこそ、
「米国債が買われなくなった」
と単純に見るのではなく、

市場が長期保有に対して、
以前より高い利回りを
求めている点を見る必要があります。

FRBが政策金利を動かさなくても、
市場の金利は動く。

先週の米国債市場は、
そのことが表れた数日間でした。

PPS代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年8月24日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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