7月末、米国のFOMCと
日本の日銀金融政策決定会合が
相次いで開かれました。
米国は政策金利を、
3.50%から3.75%の範囲で据え置き。
日本も政策金利を、
1.0%程度で据え置きました。
結果だけを見れば、
日米とも政策変更はありません。
月末には為替介入によって
ドル円が大きく動いたため、
金融政策の発表は目立ちにくくなりました。
しかし、会合の内容からは、
日米とも追加利上げの可能性を
残していることが分かります。
今回は、7月のFOMCと日銀金融政策決定会合から、
今後の金融政策の行方を整理します。
▼ 米国は金利を据え置き
今回の据え置き自体は、
概ね市場の予想どおりでした。
ただし、委員12人のうち3人が、
0.25%の利上げを主張。
採決は、賛成9対反対3となりました。
据え置きは決まったものの、
FRB内部では利上げを求める意見が
増えていることが示されています。
▼ 米国で再び強まる物価警戒
FRBは声明で、
米国経済は堅調に拡大していると
評価しました。
設備投資や雇用が底堅い一方、
物価上昇率は2%の目標を上回っています。
特に警戒されているのが、
中東情勢を背景としたエネルギー価格など、
供給面からの物価上昇です。
物価の再加速を警戒する一方、
利上げによって景気を冷やすリスクもあります。
FRBは両方のリスクを
見極める必要があるなか、
今回は政策金利を据え置きました。
▼ 市場が受け取ったメッセージ
ウォーシュFRB議長は、
2%の物価目標を重視する姿勢を示しました。
一方で、次の利上げ時期については、
明確な方向を示していません。
FOMC後の市場では、
短期金利が低下する一方、
長期金利には上昇圧力がかかりました。
30年国債の利回りは、
2007年以来となる水準に達しています。
市場では、
FRBがいずれ金融引き締めを
強めるとの見方が残っています。
今回の据え置きによって、
利上げの可能性がなくなったわけではなく、
次回以降の判断が注目されます。
▼ 日銀も政策金利を据え置き
日銀の金利据え置きも、
市場の予想どおりでした。
ただし、採決では、
1人の委員が1.25%への利上げを主張し、
満場一致とはなりませんでした。
さらに展望レポートでは、
物価への強い警戒が示されています。
日銀は、原油価格や半導体価格の上昇、
最近の円安などを背景に、
2026年度後半以降の物価上昇率が
2%を明確に上回ると予想しました。
物価見通しについても、
下振れより上振れリスクの方が
大きいと判断しています。
▼ 円安が日銀を動かす可能性
日銀にとって、
円安は単なる為替の問題ではありません。
円安が進めば、
原油や食料、原材料などの
輸入コストが膨らみます。
企業がその負担を商品価格へ転嫁すれば、
国内のインフレ圧力も強まります。
今回の展望レポートでも、
円安が耐久財などの価格に
波及する可能性が指摘されました。
植田総裁も、
物価の上振れリスクが高まれば、
利上げのペースを速める可能性を
否定していません。
円安や原油高が続くほど、
日銀が追加利上げへ動く理由は強くなります。
▼ 日米ともに、次の一手は利上げなのか
今回の会合を受け、
日米とも次の焦点は、
追加利上げに動くかどうかへ移りました。
ただし、両国が利上げへ動いた場合でも、
ドル円への影響は単純ではありません。
FRBの利上げは、
ドル高につながる要因です。
一方、日銀の利上げは、
円高につながる要因となります。
どちらがより早く、
どの程度まで金利を引き上げるのか。
8月以降のドル円相場では、
現在の日米金利差だけでなく、
金融政策が変化する方向と速度が、
これまで以上に重要となりそうです。
PPS代表 吉岩 勇紀
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