7月17日の日経平均株価は、
前日比4%を超えて下落し、
一時は6%を超える場面もありました。
特に売りが目立ったのが、
AI・半導体関連株です。
背景には、米国市場で広がった
半導体株安があります。
加えて、中東情勢の緊迫化や
米国の利上げ観測も投資家心理を冷やし、
幅広い銘柄に売りが広がりました。
今回は、日経平均の下落を入口に、
AI関連株が急落しやすい理由と、
AI相場の現在地を見ていきます。
▼ AIへの期待が、株価を押し上げてきた
これまでAI関連株は、
生成AIの普及や、
データセンター投資の拡大を背景に
大きく上昇してきました。
AIの処理には、
高性能な半導体が欠かせません。
大量のデータを保存するため、
メモリーやストレージへの需要も
拡大すると期待されています。
また、株価は現在の売上や利益だけでなく、
将来の成長期待も織り込まれます。
そのため、実際の利益が増える前から、
将来の成長を先回りする形で
関連企業の株が買われてきました。
ただし、期待で押し上げられた株価は、
その前提が少し揺らぐだけでも
大きく下落しやすくなります。
▼ 上昇が大きいほど、反動も大きくなる
AI関連株が急落しやすい理由の一つが、
それまでの上昇幅の大きさです。
株価が大きく上昇した銘柄では、
多くの投資家が利益を抱えています。
その状態で、
AI投資の先行きや企業業績に
少しでも不安が出ると、
利益が残っているうちに売る動きが
広がりやすくなります。
今回の半導体株安では、
巨額のAI投資が将来の利益に見合うのか、
現在の高い株価を正当化できるのかを、
改めて警戒する動きが広がりました。
その結果、半導体株は大きく下落しましたが、
それでも年初から見れば、
上昇を維持している銘柄は少なくありません。
相場全体が悲観に転じたというよりも、
大きく上昇した反動が一気に表れた面があります。
▼ AI相場は、選別の段階へ
今回の流れを簡潔にまとめると、
以下のとおりです。
AIブームへの期待が高まる
↓
関連株の株価が大きく上昇する
↓
将来の成長を織り込んだ高い株価になる
↓
AI投資の採算性や過剰投資への警戒が強まる
↓
利益確定売りや損失回避の売りが集中する
期待が大きい相場ほど、
上昇だけでなく、
下落の規模も大きくなりやすいのです。
ですが、今回の下落だけで、
AI相場が終わったとは判断できません。
半導体やメモリー、
データセンターへの需要が
失われたわけではないからです。
一方で、AI関連というだけで、
どの企業も同じように買われる状況は、
今後変わっていくかもしれません。
巨額の投資に見合う
売上や利益が見込めるのか。
競争が激しくなる中で、
成長を維持できるのか。
こうした点が、
これまで以上に厳しく見られます。
▼ 期待が高い相場ほど、慎重に見る
AIは、今後の経済や
企業活動を変える可能性を持つ
大きな成長分野です。
しかし、成長市場だからといって、
関連株が一直線に上昇するわけではありません。
期待が株価を押し上げた相場では、
その期待が少し揺らぐだけでも、
大きな下落が起こり得ます。
ただ、今回の日経平均と半導体株の下落が、
AI需要の消滅を示しているとは限りません。
今回の値動きは、
AI関連株の選別が進みつつあることを
示していると考えられます。
今後は「AI関連」というだけでなく、
実際の業績や成長力が
より厳しく問われていきそうです。
PPS代表 吉岩 勇紀
====================================
この記事は2026年7月24日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。
最新の情報を受け取りたい方は、
下記URLからメールマガジンをご登録ください。
■メルマガバックナンバー
https://pps-life.co.jp/mailmaga/
■メールマガジン登録
https://pps-life.co.jp/mailmaga/form/
====================================