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長期金利は、誰が決めているのか|PPSメールマガジン vol.388 2026.07.17 #メールマガジン

前回は政府が公表した、
骨太の方針原案に対する
市場の反応を整理しました。

正式決定前の原案でありながら、
市場では日本国債が売られ、
長期金利には上昇圧力がかかりました。

この長期金利は、
そもそも何を基準に
変動するのでしょうか。

今回は、
長期金利が誰によって決まるのかを
シンプルに整理します。

▼ 短期金利は、日銀の影響が大きい

まず、金利には大きく分けて、
短期金利と長期金利があります。

短期金利は、
中央銀行が調整する
金融政策の影響を強く受けます。

日本でいえば、
日本銀行が政策金利をどうするかです。

日銀が利上げをすれば、
短期金利も連動して上がりやすくなります。

反対に、日銀が低金利を維持すれば、
短期金利も低く抑えられやすくなります。

つまり、短期金利は、
日銀の政策判断に近い場所で動く金利です。

▼ 長期金利は、市場が決める

日本の長期金利を見るときに、
よく使われるのが10年国債の利回りです。

その長期金利は、
日銀が直接決めるものではなく、
国債市場の取引を通じて動きます。

その国債は、
買われれば価格は上がり、
金利(利回り)が下がります。

反対に、国債が売られると、
価格は下がり、金利が上がる仕組みです。

つまり長期金利は、
市場参加者が国債を買うのか、
売るのかによって動きます。

▼ 市場は、何を見ているのか

では、市場参加者は、
何を見て国債を売買しているのでしょうか。

主に見ているのは、
将来の景気、物価、財政、金融政策です。

たとえば、
今後も物価高が続くと見られれば、
投資家はより高い利回りを
求めるようになります。

物価が上がれば、
将来受け取るお金の価値が
目減りするからです。

また、政府の財政支出が増え、
国債発行が増えると見られれば、
国債の需給に対する警戒が高まります。

国債の発行が増えれば、
投資家はより高い利回りでなければ
買いにくくなります。

その結果、長期金利に上昇圧力がかかります。

さらに、日銀の政策判断も、
長期金利に影響を与えます。

短期金利は政策金利の影響を強く受けますが、
長期金利が同じように動くとは限りません。

将来の景気や物価、
財政運営、金融政策の見通しを
織り込んで動くのです。

▼ 今回の反応は、何を示していたのか

今回の骨太の方針の原案をめぐる反応も、
この仕組みで整理できます。

・財政支出の拡大
・物価高の長期化
・政府による日銀の利上げけん制への警戒

これらを背景に日本国債が売られ、
長期金利に上昇圧力がかかりました。

つまり今回の金利上昇は、
市場がその先にある
財政、物価、金融政策の方向性を
読み取ろうとした結果です。

▼ 長期金利は、市場の先読みで動く

長期金利は、市場が将来を
どう評価しているかを映す金利です。

だからこそ、政府の方針文書であっても、
その内容次第では長期金利が動きます。

今回の骨太の方針をめぐる反応は、
市場が将来の財政、物価、金融政策を
先回りして見ていることを示したものです。

長期金利は、政府や中央銀行が
直接決めているものではありません。

市場が将来の日本経済をどう見ているのか。

その評価が積み重なって、
長期金利は動いているのです。

それではまた。

PPS代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年7月10日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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