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「骨太の方針」に、市場はどう反応したのか|PPSメールマガジン vol.387 2026.07.13 #メールマガジン

政府が先日示した
『骨太の方針』の原案が、
市場関係者の注目を集めています。

「骨太の方針」とは、正式には
「経済財政運営と改革の基本方針」
と呼ばれるものです。

経済政策や財政運営の大きな方向性であり、
翌年度の予算編成や制度改革にも影響する
ロードマップ的な文書です。

高市政権がこれまで掲げてきた
積極的な財政運営が、
実際にどのような形で進められるのか。

この原案をもとに調整が進められ、
7月中旬にも正式に閣議決定される見通しです。

ところが、金融市場では、
この正式決定前の原案に反応し、
長期金利に上昇圧力がかかったのです。

一体何があったのか。

今回は、骨太の方針の原案に何が盛り込まれ、
市場がそれをどう受け止めたのかを整理します。

▼ 原案には、何が盛り込まれたのか

今回の原案では、
「強い経済」の実現が
大きなテーマになっています。

成長分野への投資を進め、
日本経済の成長力を高める。

そのために、AI、半導体、防災、
エネルギー、安全保障などの分野で、
官民投資を拡大していく方針が盛り込まれました。

また、財政については、
「責任ある積極財政」が
改めて示されています。

必要な分野には、
積極的に投資を行う。

一方で、
財政の持続可能性にも配慮する。

この両方を目指す考え方です。

さらに、強い経済の実現に向けて、
適切な金融政策運営も
非常に重要であるとしています。

▼ 市場はどう受け止めたのか

さて、市場はこの原案を、
前向きな成長戦略としてだけ
受け止めたわけではありません。

経済成長の期待と同時に、
いくつかの不安材料が意識されました。

まず意識されたのは、
財政出動に対する不安です。

成長分野への投資は、
日本経済の将来に重要なテーマです。

しかし、投資規模が大きくなれば、
財政支出はどこまで膨らむのか。

財源をどう確保するのか。

国債発行が増えるのではないか。

こうした見方が出てきます。

もっとも、積極財政への警戒は、
政権発足前から市場で意識されていました。

そのため、もともとあった警戒感が、
改めて意識されたと見る方が自然です。

次は物価高への警戒です。

今回の原案では、
政府は物価高に機動的に対応する
姿勢を示しています。

ただし、市場が期待するような
具体的な支援策や財源の見通しは見えにくく、
実効性を慎重に見る向きもありました。

そして、今回注目が大きかったのは、
日銀の金融政策への影響です。

原案では日本銀行に対して、
「適切な金融政策運営」や
「政府との緊密な連携」への
期待が示されていました。

しかし市場ではこの記述について、
政府が日銀の利上げを
けん制しているのではないか、
と警戒する見方が広がりました。

・日銀の金融政策正常化が遅れる。
・低金利環境が長引く。
・通貨安や物価高への警戒が残る。

市場は、こうした政策運営の
先行きも見ていたといえます。

▼ 市場では何が起きたのか

こうした受け止め方を背景に、
市場では日本国債が売られ、
長期金利が上昇しました。

今回の反応は、
単に「政策方針で金利が上がった」
だけではありません。

市場が反応したのは、
原案に書かれた政策の方向性です。

成長投資を進める姿勢は、
日本経済にとって前向きな材料です。

しかし同時に、
財政支出の拡大や物価高の長期化、
日銀の利上げペースへの影響も意識されました。

その結果、
正式決定前の原案であっても、
市場は先回りして反応したのです。

▼ 政策文書は、先行きを読む材料になる

今回のポイントは、
正式決定前の原案であっても、
市場を動かす材料になる点です。

市場は、政策文書に書かれた内容から、
今後の財政運営や金融政策の方向性を
読み取ろうとします。

だからこそ今回も、
正式決定前の原案でありながら、
長期金利に上昇圧力がかかりました。

では、なぜこうした市場の警戒が、
長期金利の上昇につながるのでしょうか。

次回は、
「長期金利は誰が決めているのか」
をテーマに解説します。

それではまた。

PPS代表 吉岩 勇紀

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この記事は2026年7月6日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。

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