前回は、
NISA貧乏の原因について
整理しました。
では、どうすれば
同じ問題を避けられるのか。
今回は、
貯金と投資のバランスを踏まえながら、
資産を置く順番について整理します。
▼ 日本人は現金を持ちすぎなのか
資産運用の話になると、
よく言われることがあります。
「日本人は現金を持ちすぎている」
日本銀行の資金循環統計によれば、
2025年12月末時点の家計金融資産は2,351兆円。
そのうち現金・預金は1,140兆円で、
全体の48.5%を占めています。
家計資産のほぼ半分が、
現金・預金に置かれているわけです。
この数字だけを見ると、
日本人はもっと投資に回すべき
と言われる理由になります。
しかし、ここで注意が必要です。
家計全体で見れば、
日本はまだ現金・預金の比率が高い。
一方で、個人単位で見ると、
生活資金まで投資に寄せすぎる人もいます。
だからこそ、
「NISA貧乏」という言葉が現れました。
全体と個人、
この2つは分けて
考えなければいけません。
▼ 先に決めるのは「投資額」ではない
資産運用を始めるとき、
多くの人は投資額から考えます。
・毎月いくら積み立てるか。
・年間でいくら投資するか。
・NISA枠をどこまで使うか。
もちろん、目標を持つことは大切です。
ただし、投資額を先に決めると、
生活に必要なお金が後回しになります。
本来、先に決めるべきなのは、
投資に回す金額ではありません。
手元に残す金額です。
生活費などを残したうえで、
それでも使わないお金を運用に回す。
この順番で考える必要があります。
生活資金、余剰資金、運用資金。
細かい分け方はいろいろありますが、
考え方はシンプルです。
・すぐ使うお金。
・急な支出に備えるお金。
・増やすために置いておくお金。
運用に回すべきなのは、
最後の「増やすためのお金」です。
生活に必要なお金でもなく、
急な支出に備える貯金でもありません。
▼ 貯金と投資のバランスを考える
投資を始めると、
貯金に対して否定的な見方を
持ってしまうことがあります。
・預金に置いていても増えない。
・インフレで価値が目減りする。
だから、できるだけ投資に回した方がよい。
この考え方にも一理あります。
しかし、貯金には貯金の役割があります。
・生活を守る。
・急な支出に備える。
その備えがあるからこそ、
資産運用を継続する力になります。
仮に相場が下がった時も、
投資資産を売らなくて済む。
仕事や収入が不安定になっても、
一定期間は生活を維持できる。
これは、投資では代替できない役割です。
貯金は生活を守るためであり、
投資は資産を育てるためのお金です。
つまり大事なのは、
どうバランスよく持つかです。
このバランスを崩すと、
資産形成をしているつもりでも、
日々の生活が苦しくなります。
▼ NISAだけの例ではない
使う予定のないお金を投資に回す。
これが基本の前提です。
そして、NISAに限った話ではありません。
たとえば、私たちがサポートする
海外口座の預金を検討する場合も同じです。
どのような資産を持つ場合でも、
生活資金まで無理に回すものではありません。
今の生活を守りながら、
将来の選択肢を増やすために運用を行う。
それが資産運用の本来の役割であり、
NISAはそれを後押しする制度です。
PPS代表 吉岩 勇紀
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この記事は2026年6月19日配信のメールマガジンとなります。
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