今年の春頃、
「NISA貧乏」という言葉が、
国会で取り上げられ話題になりました。
これは、NISAで大きな損失を出して、
貧乏になった話ではありません。
NISAに資金を回しすぎた結果、
日々の生活に使えるお金が減り、
生活が苦しくなる状態を指します。
投資とは本来、
将来の資産を増やすための行動です。
それにもかかわらず、
なぜ生活が苦しくなるのか。
今回は、その主因を整理します。
▼ NISAは急速に広がっている
金融庁の速報値によれば、
2025年12月末時点での
NISA口座数は2,826万口座。
累計買付額は71兆円に達しています。
新NISAの開始以降、
投資を始める人は大きく増えました。
これは、資産形成への関心が
高まっている前向きな流れです。
ただし、制度が広がるほど、
使い方を誤るケースも出てきます。
それが生活資金までを
投資に回してしまうことです。
▼ 投資で生活が苦しくなる3つの要因
投資で生活が圧迫される背景には、
主に次の3つがあります。
① 投資優先で、手元の現預金の割合が減る
② 日常で使えない資産が増える
③ 相場変動で、精神的な余裕が削られる
この中で直接的な原因になりやすいのは①と②です。
資産を投資に回しすぎると、
生活に使えるお金の割合が減ります。
さらに、積立投資のように
長期運用を前提にしている場合、
制度上は売却できたとしても、
心理的には簡単に取り崩しづらくなります。
特に、相場が下がっている時に
生活費のために売却するのは、
精神的にも負担が大きいものです。
お金はあるように見えるのに、
使えるお金が足りない。
これが、NISA貧乏の本質です。
▼ 生活資金が減るとどうなるか
投資は早く始めるほど有利、
資金を多く入れるほど効果が出やすい、
と言われます。
この考え方は、
長期投資として間違っていません。
しかし、
「資金を入れること自体が目的」になると、
当然生活への負担が先に表れます。
食費や交際費を無理に削る。
急な出費に対応できない。
税金、保険料、車検、家電の買い替えなど、
まとまった支出のたびに不安になる。
この状態では、
将来の資産形成をしているというより、
日々の選択肢を減らしているだけです。
また、手元資金が少ないと、
相場が下がった時の冷静さも失いやすくなります。
本来なら長期で持つべき資産を、
不安に耐えられず売ってしまう。
その結果、投資の成果が出る前に
運用から離れてしまうケースが出てきます。
▼ 大切なのは「資産の分け方」
お金を入れすぎたから苦しくなる、
当然の話に見えるかもしれません。
ですが、将来のために今の生活を削ってでも
投資に回す人は少なくありません。
特にNISAは、
非課税というメリットがあるため、
「使わないともったいない」
と感じやすい制度です。
しかし、投資は資産を育てるための手段であり、
お金を入れることが目的ではありません。
また、日常ですぐに使えない資産は、
別のリスクも生まれます。
・必要な時に使えない。
・現金化しづらい。
・取り崩す判断ができない。
こうした性質も、
生活面で大きなリスクになります。
この部分を理解していないと、
NISA貧乏のようなケースが出てきます。
こうした状態を避けるには、
資産をどう設計すべきか。
次回、具体的に整理します。
それではまた。
PPS代表 吉岩 勇紀
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この記事は2026年6月15日配信のメールマガジンとなります。
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