5月のドル円相場は、
4月末の為替介入により、
いったん円高方向へ振れた流れを
引き継いで始まりました。
月初は一時155円台まで
円高が進む場面もありましたが、
その後は再びドル買いが強まり、
月末には159円台まで上昇。
160円台目前まで迫る展開となりました。
5月の相場を大きく動かしたのは、
中東情勢、原油価格、米国の金利観測、
そして為替介入への警戒感です。
今回は5月のドル円が、
どのような流れで動いたのかを整理します。
▼ 月初 ─ 介入後の余波で一時円高へ
5月初旬のドル円は、
4月末の為替介入の余波を受けて、
いったん円高方向へ。
さらに、米国とイランをめぐる停戦や
和平協議への期待もあり、
過度なリスク回避も和らぎました。
中東情勢の緊張が緩む見方が広がると、
安全資産として買われていた
ドルの勢いもやや後退します。
その結果、
ドル円は155円台から156円台で
推移する展開となりました。
ただ、相場の流れが
円高に移行したわけではなく、
為替介入に対する警戒や
中東情勢の緩和期待が重なった
動きだったと見られます。
▼ 月中盤 ─ 原油高とインフレ懸念が再燃
月中盤、再び流れは円安方向へ傾きます。
背景にあったのは、
中東情勢の不透明感と原油価格の上昇です。
月初にあった停戦や和平交渉は、
その後の進展が見られず、
再び地政学リスクが意識されはじめました。
さらに、原油価格も上昇したことで、
インフレ再燃への警戒感も強まります。
この流れからドル買いが強まり、
ドル円は158円台後半まで上昇しました。
中東情勢への警戒と
インフレ再燃への懸念。
市場の流れは、
4月の介入以前の状況に
戻り始めたとも言えます。
▼ 月後半 ─ 停戦期待と再緊張で上下
月後半は、中東をめぐる報道に
大きく振られる展開でした。
停戦や協議進展への期待が出れば、
ドル買いが弱まり、円高方向へ。
その一方で、
米国の対イラン追加攻撃や、
協議の不透明感が伝わると、
再びドルが買い戻されました。
そしてドル円は、
再び159円台へ上昇。
160円が再び意識される水準まで近づきました。
▼ 5月相場で見えてきたもの
今回の5月相場の
主な材料を整理すると、
次のようになります。
・4月末の為替介入による一時的な円高
・中東情勢の緩和期待によるドル売り
・原油高による日本の輸入コスト上昇懸念
・米国のインフレ再燃と利下げ期待の後退
・160円接近による再介入への警戒感
5月は、
「介入によって円安が止まった月」よりも、
「介入後も円安圧力が残り、再び押し戻された月」
だったといえます。
特に中東情勢と原油価格は、
今後もドル円を動かす重要な材料です。
中東情勢が緊迫すれば、
原油高やインフレ懸念を通じて、
ドル買い・円売りが強まりやすくなるためです。
一方で、
停戦や和平に向けた動きが進めば、
リスク回避のドル買いが和らぎ、
一時的に円高方向へ戻す可能性もあります。
ただ、現時点では、
米国の利下げ期待が後退しやすく、
日本側も急速な利上げには動きづらい状況です。
そのためドル円は、
引き続き中東情勢、原油価格、米金利、
そして為替介入への警戒感を見ながら、
上下に動きやすい展開が続きそうです。
それではまた。
PPS代表 吉岩 勇紀
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