ここまで2回にわたり、
なぜ欧米では投資が当たり前になりやすいのか。
そして日本では、
なぜ現金が安心という感覚が長く定着してきたのか。
その背景を整理してきました。
では、今はどう考えるべきでしょうか。
大切なのは、
欧米が正しいとか、日本が遅れているとか、
そうした単純な話ではありません。
資産の持ち方は、
その時代の前提によって合理性が変わります。
今回はその点を整理します。
▼ 資産の持ち方に「正解」は固定されない
まず前提として、
どんな時代でも通用する
絶対的な資産の正解はありません。
ある時代には、現金や預金を厚く持つことが
合理的だったこともあります。
一方で別の時代には、
預金だけでは守りきれず、
資産を分けて持つ方が自然になることもあります。
つまり大切なのは、
「何を持つべきか」を
先に決めることではありません。
今の環境では、
どんな持ち方が合っているのかを考えることです。
▼ 日本の「前提」も変わりつつある
日本では長い間、
現金や預金を中心に持つことに
一定の合理性がありました。
そうした時代の中では、
それが現実的な守り方だったと言えます。
ただ、今はその前提が少しずつ変わりはじめています。
物価が上がり、生活コストも重くなり、
円だけで資産を持つ前提も
以前ほど盤石ではなくなってきました。
かつてのように、
現預金だけで守りやすい環境では
なくなりつつあります。
つまり、昔は合理的だった現預金中心の持ち方が、
今もそのまま合理的とは限らなくなっているのです。
▼ 問題は、預金そのものではない
ここで誤解してはいけないのは、
預金が悪いという話ではないことです。
現金や預金はすぐ使える。
価格が大きく動かない。
日々の生活と直結している。
そうした強みがあります。
実際、過去の日本では、
その強みがそのまま合理性につながっていました。
だから、預金を重視してきたこと自体は、
不自然でも間違いでもありません。
▼ 安心の感覚だけが残る危険性
本当に注意すべきなのは、
預金を持っていることではありません。
昔の安心が、
今も同じように続いていると思い込むことです。
人は一度うまくいった考え方を、
なかなか手放せません。
過去にそれで困らなかったなら、なおさらです。
資産を守るうえで大事なのは、
これまで安心だったかではなく、
これからも安心でいられるかです。
この視点が抜けると、
持ち方だけが過去のまま残ります。
多くの人が安心だと感じているものは、
確かにその時代には合理的だったのかもしれません。
しかし、みんなが同じ前提で持っているものほど、
その前提が崩れた時の影響は大きくなります。
かつての日本では、
円預金だけで資金を持つことに、
大きな違和感はありませんでした。
ですが今は、
物価、通貨、金利、生活コストなど、
その安心を支えていた条件が
少しずつ変わりはじめています。
つまり、安心そのものが崩れたというより、
安心を成り立たせていた条件が変わってきているのです。
▼ 正しい持ち方は一つではない
これから必要なのは、
資産の正解を一つ覚えることではありません。
預金が正しいのか。
投資が正しいのか。
円がよいのか。
外貨がよいのか。
そうした二択で考えるほど、
実際の環境は単純ではありません。
必要なのは、前提が変わった時に、
自分の持ち方も見直せることです。
時代が変われば、守り方も変わる。
それを受け入れられるかどうかが、
これからの資産防衛では
より重要になっていくのだと思います。
それではまた。
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