原油価格の高騰から、
インフレへの警戒が強まっています。
原油が上がると、
物流や製造コストが上がり、
物価全体に波及しやすくなるためです。
ここで重要なのは、
今回のインフレが「良いインフレ」か、
それとも「悪いインフレ」なのか。
今回は、この点を整理します。
▼ インフレには、性質の違いがある
インフレと聞くと、
単に『物価が上がること』と捉えられがちです。
ですが実際には、
物価がどのような理由で上がっているかで、
意味合いは大きく変わります。
たとえば、景気が良くなり、
賃金や消費が伸びた結果として
物価が上がる場合があります。
いわゆる「良いインフレ」で、
専門的にはディマンドプル型と呼ばれます。
一方で、原油高のように、
外部要因でコストが押し上げられ、
物価が上がる場合があります。
こうしたインフレは、
景気の改善を伴わないまま負担だけが増えるため、
家計にも企業にも重くのしかかります。
こちらは「悪いインフレ」で、
コストプッシュ型と呼ばれます。
▼ 今回のインフレはどちらなのか
現在のインフレの主因は、
景気の拡大ではなく、
中東情勢などに起因する原油高です。
そのため、
性質としてはコストプッシュ型に近く、
「良いインフレ」とは言いづらい状況です。
今回の物価上昇は景気の強さではなく、
コスト増によって押し上げられているためです。
その結果、各国の中央銀行は、
簡単に金利を下げにくくなり、
市場が期待していた前提も崩れやすくなります。
▼ 今回見るべきポイント
インフレと言っても
どのような理由で上がっているのか、
そこを見る必要があります。
景気拡大の中で起きるインフレと、
原油高によるコスト増で起きるインフレでは、
市場への意味合いがまったく違うからです。
今のインフレは、
経済の強さを示す上昇ではなく、
原油高によって前提を揺らす側のインフレです。
だからこそ、
今後の相場が楽観しにくくなっています。
では、なぜこのインフレが
市場を読みづらくするのか。
次回は、金融市場が揺れ動く構造について
整理したいと思います。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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