現在、イラン情勢の影響から
原油価格が大きく上昇しました。
ガソリン価格の高騰など、
生活への影響も出始めています。
そして、市場では次のような動きが起きています。
・金価格の下落(約8%)
・ドル高円安(160円目前)
・株価の下落(3週連続)
本来、有事では金の価格が上昇し、
円が買われて円高になる動きが一般的です。
それにもかかわらず、
逆の動きが起こっています。
この違和感の理由について、今回は整理します。
▼ なぜ、原油高が起点となったのか。
先に結論をお伝えすると、
今回の動きは「有事」ではなく、
「インフレの先読み」によるものです。
原油価格の高騰で上がるのは、
ガソリン代だけではありません。
電力や輸送などのコストも上昇します。
こうした負担増加に対し、
企業は値上げで価格転嫁せざるを得なくなります。
結果、物価全体が
押し上げられる環境になります(インフレ)。
▼ インフレが強まるとどうなるか。
物価上昇が続くと、
世界各国の中央銀行は、
金利を下げづらくなります。
この状態で利下げを行うと、
インフレがさらに加速するためです。
これまで利下げ方向にあった米国も、
そのペースが鈍化する見込みです。
そして、金融市場は、
「利下げ局面が遠のいた」と判断し、
金利の高い通貨を選ぶ流れが強まります。
現在のドル高円安も
日米の金利差が注目され、
ドルが買われやすい状態と言えます。
▼ 金はなぜ下がったのか
金は安全資産のため、
有事では需要が高まる資産ですが、
今回は急落しました。
これも原油高による
インフレが関係しています。
そもそも、金は利息を生まない資産です。
インフレが予測される環境では、
利息の付かない資産よりも
利息のある資産が有利になります。
今回の流れでは、
・原油高 → インフレ
・利下げ期待後退 → 金利維持
となり、金よりドルを選ぶ流れになりました。
これが、「有事なのに金が下がる」理由です。
▼ 株価への影響
株価は、次の3つの影響を受けます。
・原油高 → 企業コスト増
・インフレ → 消費の鈍化
・金利高止まり → 株の評価低下
企業コストの上昇は、
利益や業績の悪化につながります。
さらに、金利が高止まりする環境では、
株は割高と判断されやすくなります。
その結果、株価は下落圧力を受けやすくなります。
▼ まとめ
今回の影響を下記に整理しました。
→ 原油高が起点となり
→ インフレ懸念が強まり
→ 金利が下がらない前提に変化した
結果として、金や株価は下落し、
ドル円は円安方向に進行しました。
市場は「ニュース」ではなく、
その先にある「構造」で動きます。
今回のように、地政学リスクが
インフレを通じて影響する点は、
今後も重要な視点になります。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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