この数年で、
日本経済や円を取り巻く環境は
大きく変わりました。
直近では、円安や物価上昇。
国家財政に関するニュースも
絶え間なく続いています。
こうした環境において、
「日本円は今後も大丈夫なのか」と
不安を感じる方も少なくありません。
ただ、その不安の正体は、
「円」そのものなのでしょうか。
前回もお伝えした資産を守るとは、
動かさないことではなく、
構造を整えることでした。
今回は、「円だけで持つ」という状態を
構造から整理してみます。
▼ 円に依存しているという現実
日本に住む私たちの生活は、
ほとんどが円で成り立っています。
収入、預金、年金、
不動産の資産評価、どれも円建てです。
しかし同時に、
生活のほぼ全体がひとつの通貨に
依存した構造でもあります。
普段意識することはありませんが、
私たちの資産も生活もすべて
「円という前提」があるのです。
▼ 不安の正体はどこにあるのか
円に対する不安は、
主に三つの要素からきています。
まず一つは、インフレによる購買力です。
円安や物価上昇が続けば、
同じ金額で買えるものは減ります。
持っている金額は変わらなくても、
物を買う選択肢が減っていく。
これは前回触れた
「守る=購買力を守る」
という話にもつながります。
二つ目は、日本の財政と通貨の関係です。
日本の政府債務残高は、
GDP比で見ても高い水準にあります。
大きな借金を抱えた状況から、
いつか国家破産が起きるという話を
耳にしたことがある人もいるかもしれません。
とはいえ、日本は自国通貨建てで
国債を発行しているため、
直ちに国が破綻するという話ではありません。
それでも、
通貨は国家の信用の上に
成り立っています。
財政や国力の不安が世界に伝えれば、
それが円の信用にも影響を及ぼします。
もし、世界の投資家が円を手放せば、
円の価値が下がっていき、
それが購買力の低下につながります。
そして三つ目は、金融政策の余地です。
長く続いた低金利政策の影響で、
日本は金融政策の選択肢が限られる局面が出てきています。
政策が転換期にある今、
その変化は通貨の評価にも影響し、
為替や生活にも及ぼすでしょう。
この3つをまとめると、
不安の根源は「円自体が危ない」ことではなく、
「円の前提が揺らぐ可能性」のことかもしれません。
▼ 問題は円そのものではない
ここで強調しておきたいのは、
円自体を否定する話ではないということです。
円は主要通貨のひとつであり、
生活において不便な点はありません。
問題は円そのものではなく、
円だけしか持っていない資産構造です。
生活も資産も円に集中。
その状態で、
円が当たり前な前提が揺らげば、
資産への影響は避けられません。
よって、資産を守るとは、
動かさないことではなく、
構造を整えることなのです、
円の依存度が高いほど、
前提が揺らいだときの影響は大きくなります。
守るという視点から、
自分の通貨構造をどう設計するか。
そこから次の段階が始まります。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
====================================
この記事は2026年3月6日配信のメールマガジンとなります。
当時の状況による内容であるため、現在の状況とは異なる場合がございます。
最新の情報を受け取りたい方は、
下記URLからメールマガジンをご登録ください。
■メルマガバックナンバー
https://pps-life.co.jp/mailmaga/
■メールマガジン登録
https://pps-life.co.jp/mailmaga/form/
====================================