日本銀行が先日公表した
「資金循環統計」によると、
家計が保有する金融資産残高は、
9月末時点で2286兆円に達しました。
これは、
過去最高水準を更新したことになります。
株価上昇や円安による
外貨資産や株式評価額の押し上げを背景に、
日本の家計は「より豊かになっている」ようにも見えます。
しかし、心からそうだと安心できる人は、
どれくらいいるでしょうか。
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■ 過去最高でも「安心できない」資産構造
今回、注目すべきポイントは、
「資産額が増えた“中身”」です。
個人金融資産の総額は増えた一方で、
・現金・預金比率は初めて50%を下回る水準
・価格変動資産(株式・投資信託)の割合拡大
とした変化も起こっています。
これは統計上の事実であり、
家計資産の構成が貯蓄から投資へ
徐々に変化してきた結果です。
そして、この変化が市場環境の影響を受けやすい
資産構造に変わりつつあると評価することもできます。
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■「増えた」よりも「評価で膨らんだ」側面
ここで、一度冷静に考える必要があります。
今回の資産増加の背景は、
円安と株高による「含み資産の増加」が
大きく影響しています。
実際に使える資産が増えたのではなく、
運用資産の数値が
大きく見えている側面も否定できません。
もし、
・株価が調整局面に突入
・為替が円高トレンドに変化
といった、今とは逆の動きが始まれば──。
この「過去最高」という数字は、
短期間で変わる可能性もあります。
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■ 本当に見るべきは「総額」より「構造」
実際に使える資金が増えたわけでなく、
運用資産の評価額が増えた結果が、
今回の最高値更新の背景です。
そのため、
資産や収入に余裕が生まれたと
実感を覚える方は多くないはずです。
逆に、資産運用を早く取り入れた人は、
この環境の恩恵を受けられた人とも言えます。
ただし、今の上昇値も評価額であり、
一時的なものになる可能性も常にあります。
ここで大切なのは、
これまでもお伝えしてきたように、
資産を「どう守るか」という構造を理解することです。
円だけの現預金を持っていれば、
円安やインフレによって、
資産価値は目減りしていきます。
資産を株式へ極端に移せば、
良い局面もあれば悪い局面もあり、
資産が不安定になる場面も表れます。
だからこそ、現預金と投資のバランスを
意識して資産を持つことが、
これまで以上に重要になります。
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■ 数字が良い今こそ、考えるべきこと
個人金融資産が過去最高水準にある今は、
「危機が迫っている局面」ではなく、
選択肢があるうちに考えられる局面です。
数字が崩れはじめてから慌てるのではなく、
数字が良い“今”だからこそ。
将来の環境変化を前提に自分の資産構成を
一度立ち止まって見直すことが、
これからの資産防衛につながります。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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