10月1日、米政府の一部機関が閉鎖されました。
一見すると大事件のように聞こえますが、
実際にはどういう仕組みで起きているのか。
今回はそのポイントを整理してお伝えします。
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① なぜ閉鎖が起きたのか
一言で言えば、議会で予算案が
期限までに可決されなかったためです。
政府の業務を継続するための
つなぎ予算(Continuing Resolution)をめぐり、
共和党と民主党の対立が続いた結果、合意に至りませんでした。
アメリカの会計年度は9月30日で終わるため、
それまでに予算が通らないと、
政府の一部機関が閉鎖されることになります。
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② 閉鎖による影響
政府職員の一部が一時帰休となり、
さまざまな公共サービスが停止します。
具体的には、政府の認可手続きやビザの発行、
国立公園の閉鎖などが挙げられます。
これにより、ビジネス手続きの遅延や
観光業への影響が生じると見られています。
また、雇用統計やCPIなど、
市場が注目する経済指標の発表も
停止する可能性が高いとされています。
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③ 閉鎖の仕組み
米国は反歳出不足法により、
議会の承認なしに財務省などの政府機関が
予算を執行することが禁じられています。
そのため、
期限までに予算が可決されない場合、
政府は職員への給与の支払いができなくなり、
法的に一時閉鎖を取らざるを得ないのです。
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④ 市場の反応
今回の閉鎖を受けても、
市場の反応は比較的落ち着いています。
というのも、こうした「予算をめぐる対立」は
恒例行事のように繰り返されているためです。
そのため、投資家の多くが「短期間で収束する」と見ています。
ただし、実際に政府が閉鎖されるのは7年ぶりです。
長期化した場合には、
経済活動の停滞や市場の混乱が
強まる可能性があるとみられています。
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⑤ まとめ
今回の米政府閉鎖は、
議会での予算案を巡る対立が原因で発生しました。
つなぎ予算を巡る協議が難航した結果、
法的な制約により、政府の一部機関が閉鎖します。
現時点で市場は冷静に受け止めていますが、
閉鎖が長期化すれば、経済活動や金融市場への影響が
拡大する可能性も否定できません。
今後の焦点は、
政治的な駆け引きが早期の妥協に結びつくのか、
それとも混乱が広がるのか—。
慎重に見守っていく必要がありそうです。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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