先日、国内の金価格が
史上初の2万円超えを記録しました。
金の価格が上昇する背景には、
国際情勢の不安や地政学リスクなどがよく語られます。
しかし、それだけではありません。
背景の一つには、
「お金の価値が下がっている」
という考え方もあるのです。
私たちが日々使う円や
ドルといった通貨は「法定通貨」と呼ばれ、
各国の中央銀行が発行・管理しています。
もし、中央銀行が通貨を大量発行すれば、
その分だけ通貨の価値は薄まります。
つまり、同じ1万円でも、
買えるモノが以前より少なくなっていくのです。
経済活動が続く限り、
通貨は発行され続けるため、
お金とは時間とともに価値が目減りする性質を持ちます。
さらに、インフレによる物価上昇や、
政策金利の引き下げ、通貨の信認低下なども、
通貨の価値に影響します。
こうした影響が強くなれば、
人々は資産を守るために
金のような実物資産を求める傾向が強くなります。
世界各国の中央銀行も
外貨準備として金を買い増しており、
金の需要は今、高まっているのです。
今回の上昇の背景にも、
アメリカの政策金利の利下げが
今後も続く見方が広がっていることが挙げられます。
金利が下がっていくドルの魅力が薄れ、
安全資産の金に流れ始めているのです。
また、米国政治や景気の不透明感が
投資家心理を冷やしていることも
金需要を高めている要因かもしれません。
これらの流れを見ると、
金を資産形成に取り入れる魅力を感じますが、
注意点もあります。
それは、金は利子や配当を生まないため、
銀行預金や株式のように
持っているだけで増える資産ではありません。
様々な金融商品がありますが、
購入時の手数料や保管コストも発生しますし、
短期的には需給や投機的な動きで
価格が変動するリスクもあります。
そのため、
長期的には価値の安定が期待できますが、
利回りや手数料負担には注意が必要です。
最後に、金価格の上昇を
「お金の価値が落ちているから」と理解すると、
資産形成の基本である
「通貨に偏らず分散する」発想が身につきます。
短期の値動きに惑わされず、
長期的な視点で資産を守る行動を考えていきましょう。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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