世界各地で軍事衝突や対立が報じられるたび、
株価や為替、金の価格が大きく変動しています。
こうした政治的・軍事的緊張が「地政学リスク」と呼ばれ、
資産形成を考えるうえでは見逃すことはできません。
今回は、この“地政学リスク”とは何か?
そして、私たちはどう備えればよいのか?
資産形成の視点から考えてみたいと思います。
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①「地政学リスク」とは?
地政学リスクとは、
政治的・軍事的な不安定要因によって
生じる経済的リスクのことです。
たとえば、次のようなケースです。
・ロシア・ウクライナのような戦争や武力衝突
・米中関係や台湾をめぐる政治的対立
・中東の石油供給不安や経済制裁による資源争奪
こうした事態は警鐘されつつも、
ある日突然発生し、市場や経済に大きな影響を及ぼします。
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②「将来への不透明感」もリスクになる
戦争や対立だけでなく、
その国の将来や経済に対する
“見通しの薄さ”も地政学リスクだと言えます。
政治や経済に対する不安定感は、
その国への信頼を揺るがし、
通貨や市場から資金が逃げ出すような
状況にもつながるためです。
仮に、こうした状況に陥った場合、
生活の悪化や税金の負担だけではなく、
その国の資産の価値も大きく下落します。
そして、これらが何より厄介なのは、
私たち個人ではコントロールできないということです。
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③「日本」にも潜む地政学リスク
実は、日本も「地政学リスク」と無縁ではありません。
・北朝鮮のミサイル発射
・台湾有事の可能性
・中国との関係悪化
・日本経済の先行き不安
これらは日本円という通貨の信頼性にも
影響を与えるかもしれません。
「円は安全資産」とされてきた時代とは違い、
国そのものの地政学リスクが意識されるようになってきています。
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④ リスク分散という考え方
経済や軍事への不安に備える方法は、
資産の一極化しないことが挙げられます。
特に現代の金融市場では、
一国の混乱がグローバルに波及するリスクが増しているため、
地理・通貨・制度の“3方向分散”が有効です。
・異なる通貨に分ける(例:ドル建て資産)
・異なる国に資産を置く(例:海外銀行)
・異なる金融システムを使う(例:仮想通貨、金など)
「何かが起きたとき、
すべてが一緒にダメになる」
──そんな状態を避けるために、
リスクの“地理的な分散”が重要になってきています。
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⑤ 終わりに:知らないまま「偏った資産」を抱えないために
地政学リスクは、
日々のニュースからも感じ取れるように、
ますます私たちの生活と資産に影響を及ぼしています。
そして、それは「資産がどこにあるか」
「どんな通貨で持っているか」によって
リスクの大きさが変わってきます。
「円」だけ「日本」だけに資産を集中させている状態が
果たして本当に安全なのか──。
今こそ、その問いに向き合うときかもしれません。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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