「資産は分散しておけば安心」
資産形成の話をすると、
こうした言葉が必ず出てきます。
私自身も、これまで何度も
分散の重要さについてお伝えしてきました。
確かに分散は、投資の基本とされていますし、
とても大切な考え方です。
ただ実は...、
この「分散」という言葉そのものが、
誤って理解されているケースが意外と多いのです。
今回は、そんな「分散神話」の落とし穴について、
やさしく整理してみたいと思います。
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まず、そもそも資産を分散させる目的は
「リスクを分ける」ことにあります。
株価が急落しても他の資産がカバーしてくれる。
円の価値が下がっても、
ドルの価値が相対的に上がり、
資産価値の減少を抑えられる。
こうしたバランスをつくるのが、
本来の分散の狙いです。
ところが、
「とにかく商品数を増やせば分散になる」
と思っている人も多いことも事実です。
実はこれが、
よくある誤解のひとつなのです。
たとえば、
株式ファンドを複数持っていても、
その中身が似た銘柄や同じ地域ばかりなら、
リスクはほとんど変わりません。
地域の場合も、米国資産ばかりに偏っていた場合、
米国の景気後退局面では
逆に資産全体が大きく減るリスクもあります。
また、その資産や通貨が日本の景気や為替と強く連動していたら、
十分な分散効果は得られていないかもしれません。
特に金融危機など、世界的なリスクオフの場面では、
多くの資産が一斉に売られやすい傾向があります。
こうした局面では、安全資産の金や、
国に左右されない暗号資産が価値を高め、
危機への備えとなることがあります。
よって、完璧な資産の分散を目指す場合には、地域やリスク性など、
様々な商品を持つことが求められるのです。
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では、どうすれば分散の効果を
しっかりと活かせるのでしょうか。
ひとつは、「何に備えて分散するのか」を意識することです。
為替リスクなのか、
株式市場の変動なのか、
金利の動きなのか。
それによって組み合わせる資産の種類も変わってきます。
次に、資産同士の「相関関係」を考えること。
異なる値動きをするものを組み合わせることで、
ひとつのリスクが全体に波及しにくくなります。
そのためには、
資産構成のバランスを時々見直すことも大切です。
***
分散という言葉は、
確かに安心感を与えてくれます。
けれども、
「分散しているつもり」になってしまうことが、
かえってリスクにつながる場面もあるのです。
また、これから分散投資を始めようと考える方が、
いきなり様々な物や分野に投資することは難しいでしょう。
ですので、いきなり完璧な物を目指さずに、
一つひとつを取り入れて定期的に見直すこと。
「次はこの資産を入れてみよう」と、
少しずつ進めていくのが堅実なやり方です。
自分の資産が「なぜこの構成なのか」、
「本当に意図した分散になっているのか」、
ときどき、そんな視点で振り返ってみる。
それが、将来の自分を守るための
確かな一歩につながっていくはずです。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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