PPSメールマガジンvol.105「YCC修正が注目される理由とは?」 2023.07.28 #メールマガジン

こんにちは、
PPSの吉岩です。

日銀のYCC修正について、
金融市場では注目が集まっています。

YCCは以前もお伝えしたことがありますが、
今回はYCC修正がなぜ注目されるのか、
その重要性を簡潔にお伝えします。

まず、YCC(イールドカーブコントロール)とは、
2016年に導入された日本の金融緩和政策のひとつです。

長期金利と短期金利を一定の水準に誘導し、
金融緩和の持続的な継続を行うための政策であり、
日銀は国債の買い入れなどから金利操作を行っています。

しかし、これを見越した海外勢の国債の大量売りや、
長期化による金融市場への副作用などの背景もあり、
昨年12月には長期金利の許容変動幅修正が発表されました。

「±0.25%から±0.5%の幅拡大」という内容でしたが、
日本はこれまで金融緩和を徹底維持していたため、
この発表に市場は大きな反応を起こしました。

発表後のドル円は137円から134円まで急落しており、
円安から円高へと流れも変えるサプライズでした。

また、当時の日銀総裁であった黒田氏は、
修正は金融緩和を持続的に続けるための対応であり、
出口戦略や緩和修正ではないと会見で述べていました。

しかし、市場や投資家にとっては、
実質的な利上げ(引き締め)と受け止められ、
日本の金融緩和修正として捉えられています。

そのため、YCC修正は
海外を含めた金融市場が注目する内容であり、
7月現在も再度注目が集まっています。

修正予測が高まる中で、
ドル円が円高基調となる動きも見受けられますが、
市場の期待が先行している印象があります。

また、植田総裁が18日に
金融緩和を継続する姿勢の発言もあったため、
今回の修正観測も弱まっているように感じます。

結果は28日の日銀会合という流れですが、
今回修正が見送られていても、
どこかの局面で修正が行われるでしょう。

それが日銀の物価目標を達成した時なのか、
金融市場への副作用に対する対応かは不明です。

ただ、YCC修正の予測だけで
為替が変動する動機ともなるため、
海外勢から見ても日本の政策修正は
それだけ注目を集める内容とも言えます。

PPS.Llc代表 吉岩勇紀

※ YCCについては、昨年配信した記事もご参考ください。

■日銀が続けるYCC政策とは
https://pps-life.co.jp/mailmaga63/

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この記事は2023年7月21日配信のメールマガジンとなります。
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