現金には分かりやすい“安定感”があります。
実際、価格が日々変動することもなく、
額面上の金額が減ることもありません。
その感覚自体が、
間違っているわけではありません。
ただ、ここで一度、
立ち止まって考えてみたいことがあります。
それは、「現金なら安心」という前提が、
今でも同じように成り立つのか、です。
現金の大きな特徴は、
持っているだけで数字が減らないことです。
預金残高は、
日々の値動きに振り回されません。
この「減らない」という性質が、
長い間、「現金=安全」という感覚を支えてきました。
一方で、現金が持つもう一つの側面にも
目を向ける必要があります。
それは、数字は変わらなくても、
価値そのものは変わる点です。
物価が上がれば、買えるものは減り、
為替が動けば、海外品の価格も変わります。
こうした変化は、
投資をしているかどうかに関係なく、
誰の生活にも静かに影響してきます。
前回は、株高・円安・債券安が
同時に進んだ市場の動きを整理しました。
あの動きは、株式市場だけの話ではありません。
そして、ここで大切なのは、
「投資をしていない=影響を受けない」
とは限らない、という点です。
現金だけの資産管理でも、
・生活コストがじわじわ上がる
・金利の変化がローンや支出に影響する
・通貨の価値が相対的に動く
といった形で、
物価高、ローン上昇などの
環境の変化は避けられません。
つまり、現金は額面上の価格は変わらなくても、
物価高やインフレの影響によって、
その価値が下がっていく可能性もあります。
とはいえ、現金は決して
「悪い資産」ではありません。
・すぐ使える
・価格変動がない
・精神的に安定しやすい
といった、生活をする上で
大切な役割があります。
問題になるのは、
資産を現金だけで完結させてしまうこと
なのかもしれません。
環境が変わりつつある中で、
これまで当たり前だった前提が、
少し揺れてきているかもしれない。
その可能性に気づくだけで、
資産との向き合い方は
少しずつ変わってくるでしょう。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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