2025年8月1日に発表された7月米雇用統計をきっかけに、
金融市場は大きく揺れました。
ドル円は150円台から147円台へと急落。
米国株や日経平均も下落し、リスク資産は全面安。
一方で、金や債券といった「安全資産」は上昇しました。
一部では「雇用統計ショック」とも呼ばれるこの動き。
いったい、何が起きていたのでしょうか?
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① 米雇用統計とは
雇用統計は、米労働省が毎月発表する経済指標で、
以下の指標が含まれます。
・非農業部門の雇用者数
・失業率
・平均時給
景気の動向を直接反映する「労働市場の体温計」として、
為替・株式市場の注目度は非常に高い指標です。
今回も、このデータが景気・政策・市場心理に
大きなインパクトを与える結果となりました。
② 今回の雇用統計:予想外の下方修正
7月雇用者数:
予想:+10.4万人 → 結果:+7.3万人(下振れ)
5月・6月雇用者数が大幅下方修正:
5月:+14.4万人 → +1.9万人
6月:+14.7万人 → +1.4万人
2か月の合計で約29万人から3万人へと修正されたことで、
市場は「米景気は想像以上に弱かった」と受け取っています。
その結果、ドル売り・株安・リスクオフが
一気に進行しました。
③ なぜ、ここまでの動きに?
ここ数か月、米経済は「堅調」と見られていました。
その根拠のひとつが、雇用統計の“強い数字”です。
ところが、今回の修正により、
「春以降の景気回復は幻想だったのか?」という
不信感が一気に噴き出すかたちに。
加えて、
・早期利下げ観測の再燃
・リスク資産からの資金逃避
・トランプ政権の統計不信(局長解任)など、
複数の懸念が同時に浮上し、動揺が拡大しました。
④ なぜこんな大幅な修正が?
米労働統計局側は、
「速報後に遅れて提出されたデータや
季節調整によるもので、通常の修正である」
と説明しています。
そもそも、雇用統計は速報性が強い指標です。
初回発表までに間に合わなかった
企業からの回答は、その後、再計算されて反映される流れです。
しかし、コロナ禍以降、
企業からの回答率の遅れや回答率自体の減少が目立ち、
精度のブレが懸念されていました。
今回の大幅修正は、
懸念点が浮き彫りになっただけでなく、
“データの信頼性”そのものを
揺るがす結果となったとも言えます。
⑤ まとめと今後の視点
・7月米雇用統計は、数字だけでなく「修正幅」が問題に
・これにより、「景気減速懸念」が再び台頭
・「米利下げ再開」の可能性も意識されはじめた
今後は、
・米雇用関連指標の精度
・景気の下方修正リスク
・金融政策の方向性
──こうした点が市場の注目を集めることになります。
8月は「夏枯れ相場」と言われますが、
今年は波乱含みの展開が続きそうです。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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