5月のドル円レートは、
1ドル=143円台で始まり、現在は144円台にあります。
月全体の変動幅は小さいですが、
一時は円安が急進し、その後円高に反転するなど、
大きく揺れる展開が続きました。
今回は、1カ月の主な動きを簡潔に振り返ります。
① 5月上旬:143円→148円台突入の円安へ
・日米の金融政策がともに据え置き
・米雇用統計が好調な経済を示す
・米中関税の一時的引き下げ合意が報道
5月上旬、ドル円は急速に円安へと動きました。
日米の政策金利に変化が無かったことや、
米雇用統計の好結果を受けて経済の底堅さが意識され、
金利差を背景に円売りが加速。
さらに、EUへの関税発動が見送られ、
米中間での一時関税引き下げが報じられたことで、
市場の景気減速懸念が後退しました。
こうした要因が重なり、円安が一気に進行。
数週間で5円近い上昇となりました。
② 5月中旬:円安から円高へ反転(148円→145円)
・日米財務相会談で「円安是正」への警戒感
・米国債の信用格付け引き下げ報道
中旬には一転して円高が進行しました。
日米財務相会談を前に、
米国が日本に対し円安是正を求める可能性があるとの観測が広がり、
市場の警戒感が高まりました。
実際には為替への直接言及はなかったものの。
直前に日韓財務相会談で、
ウォン高是正が話題に上ったことから、
日本にも同様の圧力がかかるとの思惑が広がったと見られます。
また、米国債の信用格付けが引き下げられたことでドル買いが一服し、
円高への流れが強まりました。
③ 5月下旬:関税・国債リスクの再燃
・米関税政策:EUへの追加関税検討
・米貿易裁判所が一部のトランプ関税を「違法」と判断
・日本の国債入札不調と、発行見直しの報道
月末にかけては、再び関税リスクが浮上。
米国がEUに対する追加関税を検討しているとの報道や、
米国際貿易裁判所がトランプ政権の一部関税を違法と判断したことが、
市場に不透明感を与えました。
一方で、日本では超長期国債の入札不調を受け、
財務省が発行量の見直しを検討しているとの報道もあり、
一時円安方向に動く場面も見られました。
結果として、ドル円は145円→142円→再び145円と、
方向感を欠いた動きが続きました。
④ まとめと現在
5月のドル円は、米経済の堅調さによる円安と、
政治・国債リスクによる円高が交錯し、
“上下に揺れた1カ月”となりました。
現在も、トランプ前大統領による鉄鋼関税の引き上げ表明や、
中国の関税合意違反を非難する発言が注目されており、
関税リスクへの警戒が再び現れている状況です。
こうした構図はトランプ新政権以降繰り返されてきた
典型的なパターンとも言えるでしょう。
6月も引き続き、これらのリスクが為替を動かす可能性があります。
今後も、重要な局面や変化点があればお伝えしてまいります。
それではまた。
PPS.Llc代表 吉岩 勇紀
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